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一度は聴いて感じて欲しい映画「ドリームガールズ」

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あなたが良いと思った洋画を教えてください

ドリームガールズ(監督:ビル・コンドン、アメリカ)

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

 「ドリームガールズ」は実在した黒人女性歌手グループをモデルにした映画です。原作はミュージカルで、アメリカでは大ヒットしたものだそうです。小さなオーディションを受けていた3人の女性がプロデューサーに見いだされ、バックコーラスとして下積みを重ね、その後、デビューして一世を風靡するという内容です。物語の背景には、その頃のアメリカの差別問題や貧富の差などがあり、ただのミュージカルや歌手の成功物語ではなく、長年続いてきた黒人差別について考えさせられ点も、作品に深みを与えていると思います。  

 

この映画の特に優れていると思うところは、その音楽のすばらしさにあります。R&Bやブルース、ダンスミュージックなど形態は様々ですが、アメリカで長年上演されていたというのも分かる、素晴らしい音楽がいつまでも耳に残るような良さがあります。  ストーリーとしてはどちらかというとシリアスな場面が多く、売れるためにはどんな犠牲も払うプロデューサー・カーティスと、初めは彼に従って成功を収めていく主人公たちの間で徐々に亀裂が生じ始める様子が丁寧に描かれていて、感情移入しやすいです。エディ・マーフィ演じるジミー・アーリーはその代表とも言える人物で、カーティスの言葉に従って歌い大成功するのですが、次第に歌いたい歌と歌わなければならない歌との間のギャップに苦しむようになり、次第に薬へと逃げるようになり破滅してしまいます。  

 

主人公の一人であるディーナ・ジョーンズは当初はあまり目立ちませんが、その美しさやスタイルの良さをカーティスに認められ、グループの中心に祭り上げられるようになります。それに反発し、もう一人の主人公であるエフィ・ホワイトがグループを離脱するところも、いくら歌が上手いといっても最終的には容姿が重要視されるのだという現実の厳しさを教えてくれます。  主人公の女性3人と彼女らを支える人々も、「家族だ」と言うほど強い絆で結ばれていましたが、曲が売れるようになり、名声とお金が手に入り始めるとその関係が壊れていってしまうのも、実在したグループをモデルにしているだけあって、とてもリアルで色々と考えさせられました。  

 

合間合間に、黒人の解放運動やキング牧師の演説などが挟まれ、自由の国アメリカには色々な問題があり、その問題はまだ現在でも続いているのだという監督のメッセージが伝わってくる気がします。  特に良いと思ったのは、エフィ・ホワイト役のジェニファー・ハドソンです。彼女の声はとても素晴らしく、いつまでも聴いていたいと思えるほど歌が上手いです。彼女は新人で、オーディションを受けてこの役に抜擢されたそうですが、とても新人とは思えないような声量で、物語の中盤辺り、メンバーが喧嘩をし、別れ別れになってしまう時に歌われる歌は圧巻です。  映画館で初めて聴いたとき、生でもないのに感動して思わず涙が出てしまいました。洋楽の迫力ある歌が聴きたいと思われる方は是非、この映画を見て彼女のファンになって欲しいと思います。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

 アメリカのR&Bやビヨンセが好きだという方にはオススメしたいです。映画の中で使われている曲はどれも耳に馴染みやすく、テンポも良くて格好いいです。ビヨンセの歌も素晴らしく、普段の彼女とはまた違う、ちょっと控えめな歌い方が新鮮で新たな一面を見ることができると思います。  そして、エディ・マーフィがお好きな方にもオススメです。エディ・マーフィというと、少し前に有名だったコメディアンというイメージしかなかった私ですが、CDも出しているという彼の歌声は映画にとても合っていて、徐々に落ちぶれていく演技も真に迫っていて、すごく印象に残りました。彼が好きな方には、是非観て欲しいです。  

 

また、ミュージカルはちょっと苦手で、普段避けているという方にもオススメしたいです。この映画はミュージカルですが、歌手を題材にしているので、歌はレコーディングは新曲発表という形で歌われ、ミュージカルにありがちな「いきなり歌い出す」ということがほとんどありません。まったくないとは言いませんが、ミュージカルの流れに違和感を覚えてなかなか楽しめない、という方がいらっしゃれば、入門編のような形で一度見てみてほしいです。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

 この映画はとても長いですが、モデルとしているグループもあり、一人一人がとてもリアルに描かれていると思います。またラストが唐突で、すごく続きが気になる雰囲気で終わってしまうので、「これからどうなるんだろう」という想像を考えていくのも楽しいです。  サウンドトラックも出ていますが、まずは映画で聴いて欲しい曲ばかりです。この映画を少なくとも一度は見て、そして出てきた曲を聴き、その場面を思い出すという二度美味しい楽しみ方もできる映画ですので、一度は『聴いて』みてください。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

性別:女性 年齢:39歳 職業:会社員 都道府県:山口県