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おすすめの小説:『星を継ぐもの』

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あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

影との戦いゲド戦記 アーシュラ・K. ル=グウィン

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

小学生の時に、学校から出された夏休みの宿題にの一つに図書感想文があり、課題図書の中に「影との戦いゲド戦記」があり、たまたま手にとって選んで読みました。おそらく初めて物語を完読できた小説です。

その小説を読んで良かったと思う感想

私は小学生の時は読書が好きではありませんでした。物語に入っていけない、途中で飽きてしまう、外で遊んでいた方が楽しいと常に思っていました。 夏休みの宿題の読書感想文もたくさんある宿題の中でも一番苦痛なものでした。しかしのこのゲド戦記は私の根強かった本嫌いを一気に覆してくれました。 本を読んで、小説の中の風や匂い、その街並みやそこに漂う砂っぽさや埃っぽさまでが鮮明に伝わってくるのがわかりました。

 

聞きなれない魔法を使う不思議な設定、難しい街の名前、また時代背景も中世ヨーロッパのような感じもありも、小学生にとっては最初は少し難しいかもしれません。しかしそれが却って個人の秘めている想像力を最大限に掻き立ててくれたのです。 読んでいくうちに主人公と一体になり、壮大な冒険を共有できます。主人公を第三者としてではなく、自分自身のことのように、ともに悩み、恐怖に怯え、世界の不思議に包まれていくのです。 神秘的なファンタジーでありながらも、人間の苦悩や驕り、嫉妬や迷いなどをリアルに描写しており、物語の主人公をともに読者自身も成長できる極上の物語となっています。

 

なぜ小学生の課題図書に選ばれていたかよく理解できます。 強く主人公に共感できたために、物語を読み終わった後に主人公とともに何かを乗り越え成長したものを感じます。 大人になってから再度読んでもいつでも新鮮な風が心に吹いてきます。大人になってから味わう苦悩や驕りといったものも、この物語の主人公は自分自身を投影しているように振舞ってくれます。そして悩み、もがき、そして現実の厳しさに打ちひしがれ、そしてその厳しさから逃げてしまいます。 自分自身を内省させてくるの小説です。

 

自己啓発本を読むよりも、人間の本質を鋭く描いたこの物語を読んだ方が、人生の羅針盤を見つけるには有効だと今も感じています。小学生の時にこの本を読んで、間違いなく人生に大きな影響を与えてくれました。本好きにしてくれたのはもちろん、人生の深みについても教えてもらったような記憶が今も鮮明に残っています。 きっとこれが哲学書であったならば、敷居が高く読者も選んでしまうことでしょう。しかもいくら人生の本質に迫ろうとしても読み手には伝わりにくいものです。なぜならばそれ一方的に教えられているからです。

 

ともに学んでいない分、どうしても距離が発生してしまいます。 しかしゲド戦記は物語とともに人生にたいし向き合っていくため、同じ悩みの中、ともに同じ歩調で歩んでいくことができるのです。フィクションだからこそ、魅了的なファンタジーとしても物語だからこそ、その哲学的要素を心の底まで沁み渡らせてくれます。 自分の子供が物語を読めるようになったら必ず読ませたい小説です。大切な人には必ず読んでほしい、自分にも大切な小説です。

その小説がオススメだと思う方は誰?

この小説は読む対象者を選びません。小学生から大人まで全世代で物語を共有できます。小学生には小学生なりに、青年には青年なりに、そして大人には大人なりに味わうことができる貴重な小説です。どの世代にも十分な手応えを感じさせてくれます。

 

しかも一度きりではなく、人生の節目節目や、その時の気分や環境、状況で読むと、その都度自分の胸に突き刺さってくるものが変わってきます。 極上のファンタジーを親子で楽しむことも可能です。それぞれの違った捉え方を読了後に話し合うのも実に有意義でしょう。 この小説はただのファンタジーではなく、ある種の哲学書の様相も持ち合わせています。 人生に壁を感じた人にも、ファンタジー好きな人にもオススメの一冊です。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

ゲド戦記は全6巻から成っています。だんだんと難易度もあがり、より高い理解度を求められます。そして物語の雰囲気も若干変わってきます。 個人的にはやはり第1巻の影との戦いが至高の一作と感じます。 ジブリで映画化されましたが、全くもって異なるものです。主人公らの名前が同じくらいです。

 

もしジブリの映画を観たあとの原作、ゲド戦記の読書であるならば、きっといい意味で期待を大きく裏切ってくれることは間違いなでしょう。 人生の哲学書にさえなりますので、人生に迷った時、不安に押しつぶされそうな時、迷いが強い時などにも、一つの道しるべを示してくれるかもしれません。 間違いなくいい出会いになります。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

性別、年齢、ご職業、家族構成、都道府県 男、夫婦子1人、自由業、東京。 スポーツ好きの読書と旅行愛好者。どこに行くにも必ず本を2、3冊携帯します。