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ファンタジックな夏の昼ドラ「ぼくの夏休み」

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なぜ、そのドラマが良いと思ったのでしょうか?

2012年の夏の「昼ドラ」でとても興味深いドラマが連日放送をされていました。 新しいドラマが始まる時には、その直前に放送されたドラマの余韻が残っている為に、なかなか第1話では入り込み難いというのが通例でした。 それがこの「ぼくの夏休み」では、冒頭の都会のシーンからノスタルジックな映像へと移る内に気付くと画面に集中していました。

 

平成から昭和の時代への「タイムスリップ」という通常では有り得ない題材を使ったドラマの展開が楽しみに感じました。 その後幼い兄と妹は時代の違いに気付き、周りの人間とトラブルを起こしながらも生きる為に順応をして行く努力を始めます。その様子がとても健気で見ている私も心が痛くなりました。ドラマではありますが、2人の母親になったような気持ちにもなり、どうか周りの人が2人に優しくしてあげて欲しいと願いながら視ていました。

 

実際にその家の手伝いをする事で住まわせて貰っている家で最も力を持っていた祖母は、2人にとても優しくしてくれただけでなく、隠れ家も教えてくれました。2人にはそのおばあさんには、タイムスリップの事を話す事となりました。 そんな時、同じようにタイプスリップをしてしまった1人の男性が現れました。その人の考えではあるタイミングで元の平成の時代に帰る事が出来るという事で、2人はその日を楽しみにしていましたが、当時戦時下であった為空襲の混乱で結局は2人は戻れないまま生き別れとなってしまいました。

 

その後7年が過ぎた頃2人は再会をしますが、偽物の妹と暮らす兄と兄は平成の時代に戻ったと思い込みながら生きて来た本当の妹は、お互いにその存在に気付く事が出来ずに男と女として惹かれ合う事になってしまいました。子供の頃に生き別れた事で7年後の成長した姿を想像できなかったというよりも、お互いの思い込みがそのような事態を招いたと言う方が正しいのかも知れません。 二人が兄と妹である事に気付く布石は色々とありましたが、お互いにそれを認めたくないという思いがあり、苦しむ事になりました。

 

それでも夢にまで見た再会は素直にとても良い場面だと私は思いました。お互いの気持ちを抑えながら新しい幸せへと向かう姿はとても複雑な気持ちになりました。その内に親しい人はタイムスリップの事実を知る事になりますが、それでも素直に二人が恋愛の関係になる事を認めてはくれませんでした。 常識で言うならば血の繋がった兄と妹であり、そこに恋愛と言う感情が生まれる事はまず無いという事ですが、それでも兄と妹という事を知らなければ、それは十分あり得る事だと思います。

 

血の繋がりで相手を近親者として認識する事は不可能であり、反対に血の繋がり故に相手を求めてしまうという事もあるのではないかと、ドラマを視ていてそう感じました。 最終的に二人は平成の時代に戻るチャンスを得る事が出来ますが、ラストシーンでは戻らなかった事が分かります。その理由は平成に戻ったら二人は兄と妹に戻ってしまうからという事になるでしょう。昭和の誰も二人を知らない時代ならば、恋愛の関係で居る事も出来ます。結局二人は兄と妹ではなく恋愛を選択したという事になります。

 

ラストのシーンでは年老いた二人がのんびりと草原で寛いでいました。二人は兄と妹という関係で生きて来たのか、それとも男と女として生きて来たのかは実際には判断する事が出来ない事で、視聴者に勝手に判断をしてくださいという事にしているのだと思いました。それでも仲睦まじい二人の姿はどちらでも良いのではないかという事も感じさせてくれました。

 

夏休みという時期に放送をされた「ぼくの夏休み」というタイトルから、夏休みが終わる頃には平成に戻るのではないかという予想を大きく裏切り、結局は生涯戻る事は無かったという事になります。それでも最終的には元の時代に追いついた形になっているので、物語の完結としては納得出来ると感じました。

これからそのドラマを観ようと思っている方へのアドバイス

このドラマは子供時代と7年後の成長した時代との2部構成、ラストシーンを合わせると3部構成になっていますが、実際に有り得るかどうかよりも、ファンタジックな内容を楽しんだり、その時代の登場人物に感情移入をされて視ると大変楽しめるドラマだと思います。

 

携帯電話の待ち受け画面の母親との3ショットを視る事で、タイムスリップ後の混乱を乗り越えた兄と妹のその後の成長と、2人を取り巻く人間関係がとても密接に絡んだドラマであったので、ハラハラしたりドキドキしたりする場面もあり楽しめます。 このドラマを視る事で、便利な時代に慣れた現代人が忘れていた事を再認識する事が出来ると思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

48歳、専業主婦、4人家族(夫、娘、息子)