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「柔道龍虎房」に学ぶ男の生き様

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あなたが良いと思った洋画を教えてください

「柔道龍虎房」 監督・ジョニー・トー 香港映画です

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

魅力を挙げればキリがないのですが、一言でまとめれば 「私の憧れる男同士(女も含む)の世界がここにある」からです。 映画の内容は簡単に言えば 「ボンクラ3人の群像劇」なのですが、それぞれが支えあい、認め合う過程が さり気なく描かれていて感動的です。タイトルにある通り映画の中では 柔道が出てきますが、この映画における柔道とはあくまでも アクション映画のメインディッシュとしてではなく、 登場人物たちの関係性を描く上での「精神性の象徴」として 物語上で機能しています。

 

いわば、柔道スピリットとでも言うべきものが この映画を見る上での鍵のようなものだと思います。 特に、主人公である、昔は一流選手だったが今は飲んだくれのバーのオーナーが 改心し、柔道と向き合う事で自分自身を取り戻していく過程と、 それに呼応するように、周囲の人達(敵対していたり利害関係がある者達)も 彼と「柔道で闘いながらも全面的に彼を認める」ライバル=好敵手へと変わっていくのです。 このシーンの感動的なことと言ったら、 私の生涯映画感動ランキングでも三本の指に入ること確実です。 また、主人公のオーナーと、それを支える二人もいい味出しており、 その一人は女。

 

今作品では男同士の世界が中心に描かれますが、 この女の人が劇中でみせる「男気」は 柔道で闘う男たちにも決して劣ることなく、その毅然とした態度に 感動すること請け合い。自分のことより相手の誇りのために身を挺す女。 いい女です。 また、冒頭でオーナーに試合を申し込みにやってきた柔道家 (この人、確かに柔道は強いが、はっきり言って柔道しか出来ないボンクラ)が 後に復活したオーナーと闘いながら、互いに嬉しそうにしているところが最高。 互いを認め合い、友情で結ばれたからこその喜びを 柔道をするシーンで余すところなく表現し切っています。

 

そして、その柔道家が頭を下げて オーナーと闘ってくれるように頼むのが、今作品での主人公の最大のライバルです。 彼は関節技のスペシャリストで、初登場のバーの乱闘シーンでの 大多数を相手にしてひたすらクールに関節を決めまくり 一人ひとり倒していくシーンが強烈な印象を残すのですが、 その彼と、オーナーとの決闘シーンが今作品のクライマックスです。 オーナーは失明する運命にあり、それが発覚して自棄になり身を持ち崩していたことが中盤で判明します。 師匠の死を契機に、再起して柔道の道に戻りますが、遂には失明してしまいます。

 

しかし、それを知ったライバルが試合場である風の吹く野原に現れたとき 彼は目隠しをして登場!そして、互いの条件を同じとした闘いが始まります。 一進一退の攻防がしばらく続きます。 ライバルの必殺の関節技が決まった……と思った次の瞬間! 主人公の返し技が鮮やかにライバルを投げ飛ばした! 駆け寄ってきて掴みかかるライバル。 しばらく興奮して主人公を睨みつけたあと、 まるで自分の敗北を、そして相手のすべてを認めるようににっこりと笑い 「俺の負けだ」とだけ言い残して試合場を去っていきます。 このシーンがこの映画での私のベスト。 いまだに観る度に泣いてしまいます。 少なくとも、現時点では 私の生涯「カッコいい敵ランキング」では 柔道龍虎房の、 普段はクールだが実は熱く、フェアプレーに殉じる男でもある主人公のライバル、 彼がブッチギリで1位であることは力説させていただきます。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

私は現在無職です。会社をリストラされ、挫折を感じながら一年余りを過ごして来ました。 その事もあり、この映画での主人公たちにはとても親近感を覚えます。 そんなこともあり、この映画は、私と同じような 「挫折を感じている人たち」にぜひ観て欲しいと思っています。 また、やさぐれている人たちにも、この映画を観て 闘うとは、人生とは、人と人とのつながりとはなにか? そんなことを考える切っ掛けにしてもらえるのではないかと思います。 この映画は見方によっては決してハッピーエンドではないかもしれませんが、 信念を貫き通し、損をしてでもきれいなバカを目指した男の心意気が 清々しい後味を残してくれます。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

たぶん名前を聞いたことがある人の方が圧倒的に少ないのではないでしょうか? それこそ、観たことある人はさらに少ないでしょう。 私も劇場ではなくDVDで観たクチです。ネットでも賛否は分かれており、 タイトルからただのアクション映画を連想して観た人にとっては 「何だこれ?」という部分もあることは否めず、 評価という意味でもあまり恵まれた映画ではないのかもしれません。 でも、いい映画です。最近の日本映画に見られるように なんでも説明してしまうタイプではなく、ある程度自分で考えて観なくては 意味がわからないかもしれませんが、 だからこそ、感じることや考える事でより深いメッセージや気付きが 自分に返ってくることは保証します。 ぜひ、ご覧ください!

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

40代・男  現在・無職  家族・妻、子供二人、父と同居(5人家族) 住んでいる所・山形県