みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作「レザボア・ドックス」

スポンサーリンク

あなたが良いと思った洋画を教えてください

レザボア・ドックス

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

この映画は、一瞬「えっ」と思わせられる、予想外の展開が気持ちいいです。 タランティーノ監督の映画と言えば、やはり下らないトークや、機関銃のように喋りまくるディープなオタクトークだと思います。私は、たとえスクリーンの中であっても、「無駄な会話」「どうでもいい会話」をしている人物には、やはり感情移入しやすいです。学校や会社などでも、今日食べた朝ごはんや、好きな女優について「あーだこーだ」言っている人の方が、親しみを感じ、助けてあげなきゃって気持ちになりやすいのと同じです。

 

また、宝石店の襲撃に失敗したギャングの皆様達はギャーギャー言っていて、とにかく仲間と連絡を取ろうとします。この凡人の様な行動に、何とも言えない親近感が湧きます。このギャップがいいのだと思います。だから、この映画のギャングたちはどこか最初から可笑しい。笑えるのにカッコイイです。ギャング映画に出て来る人達は、どこか非日常的な印象ですが、「ミスターブルー」や「ミスターホワイト」にそれは感じません。 また、宝石店を襲撃するギャングたちの格好がおしゃれで、皆、黒のスーツでキメキメです。撃たれた「ミスターオレンジ」の髪の毛を「ミスターホワイト」がコームで梳かしてあげるシーンがありますが、通常、そんなシーンはなかなか観ることが出来ません。この感じがタランティーノ作品らしくて好きです。 この映画が本当に面白いと思った点は、まずギャングの中に、警察の犬(裏切り者)がいるのですが、それが誰なのか分かりません。ギャング達は必死で、その裏切り者が仲間の内の誰なのかを知ろうとします。

 

ところが、あるシーンで、観客である私達にだけその警察の犬(裏切り者)が分かるように作られています。そのシーンは非常に痺れます。ティムロスが、カッコ良すぎます。けれども映画の中のギャング達は、それが分からないので必死です。その後もずっとギャングたちには、警察の犬(裏切り者)が誰なのか、分からないままストーリーが続いてゆき、ものすごく間抜けです。観客と裏切り者だけがそれを知っている。私はそこが本当に面白いと思います。 そもそも宝石の強盗をするギャングの話なのに、肝心の強盗のシーンがありません。これが斬新でした。「失敗してもう逃げている」所からストーリーがスタートしているのが、新しいなあと思いました。観る者の「こうなるだろう」と言う予想を、ことごとく裏切っていきます。

 

この映画を観た当時も思いましたが、今見ても全然色褪せません。 低予算で制作されたらしく、ほとんど同じ場所しか出てきませんが、時間軸を自由に入れ替えた斬新な構成によって「低予算でもこんなに面白い映画が出来る」と言う事が実証されたと言っても過言ではないと思います。 音楽はオープニングのタイトルバックで流れる曲「Little Green Bag」があまりに有名ですが、個人的には「Coconut」とか「Steelers Wheel-Stuck In The Middle With You」も大好きです。当時、私もサントラを購入し、随分聴まくっていました。今でも時々聴きたくなります。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

当時私の周りの友人達は、みんなこれを観ていましたから、タランティーノ監督の映画で最近の「イングロリアスバスターズ」や「ジャンゴ繋がれざる者」「キルビル」等を観ている若い方たちにおススメなのではないかと思います。「レザボアドックス」は「パルプフィクション」よりも前のタランティーノ監督の作品なので、意外と観ていないという人もいるかと思います。また、軽く気分転換したいなって方にもおススメです。構成も、とにかく斬新で予想していた事と違うことが起きますので、もやもやした頭がスッキリします。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

この映画に出てくるギャング達は「ミスターブルー」「ミスターオレンジ」「ミスターホワイト」など本名を明かさず、色の名前で呼び合うルールになっています。これは1970年代の映画「サブウェイパニック」のハイジャック犯達がやはり「ブルー」など色の名前で呼び合っています。この映画を元に、タランティーノ監督が参考にしたのではないかと思います。「サブウェイパニック」も面白い映画なので、合わせて、ご覧になられると良いかと思います。 クエンティン・タランティーノ監督自身も「ミスターブラウン」役で出ていますが、前半のかなり早いうちに殺されてしまいます。

 

残念ですが、カッコイイですよ。冒頭のシーンのレストランで、食後のコーヒーを飲みながら始まるオタクトークは必見です。 それから、この映画はバイオレンス描写が激しいシーンが何か所もありますので、その手の映画が苦手な方はお気を付け下さい。ただ、バイオレンス映画は私も苦手な方ですが、いくつかのシーンを我慢してでも、見る価値はあると思います。「バイオレンスが観たい」ではなく「バイオレンスであるにも関わらず観て良かった」と言うのが私の解釈です。この映画はバイオレンス描写を見せる為の目的で作られた映画ではない、と言う風に私は勝手に捉えています。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

デザインをする事や映画を見る事が大好き。デジタルのモノよりアナログが好き。おなかが空いている事に気が付かず、あまりご飯を食べない事があるので、最近は気を付けています。