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私からすると、原作超えしている唯一の映画『ロード・オブ・ザ・リング』

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あなたが良いと思った洋画を教えてください

ロード・オブ・ザ・リング』全3部

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

私にとって、この作品は全てがパーフェクトです。 まずJ.R.R. トールキンの原作も面白みがありながら、その原作を上手く映像化していると思います。原作でも様々な種族が現れ、時にぶつかり合いますが、どのシーンも違和感がありません。例えばホビットドワーフは小さく、人間やエルフや魔法使いは大きいのですが、彼らが並んだ時にちゃんと想像通りの並びになっているのは地味に重要です。これらがいい加減だからこそ観ていて違和感のある映画は山ほどあります。 また「この作品は映画化が不可能だ」と長く言われ続けた原因の一つに「映画の枠に作品の世界観がおさまりきらない」という部分があったのではないかと思われますが、この問題も上手く解決しています。

 

これはひとえに監督と脚本家の技量によるものかと思われます。ご存知の方も多いかと思いますが、本来の原作である『指輪物語』とは、『シルマリルの物語』『ホビットの冒険』が前提としてあった上で成り立つお話です。しかしながら監督や脚本家は、必要な部分だけ映画の中で補完しつつも、くどい説明にならないよう抑えています。もちろん映画の中だけで全てが説明し切れないのはありますが、そこに疑問を持つなら原作を読みたくなる気分になるでしょう。実際に私も、映画の中から更に疑問を持ち、映画が完結した後で更に全日譚にあたる話を読破しました。全ての原作を読むと、より映画の出来を評価出来ると思います。 というのも、この映画自体も原作を超えているからです。原作もかなり長いもので、私にとって一部物語の親交を停滞させる部分があります。映画ではその部分がカットされていることを、映画と原作の両方を見ると分かります。正直「要らないエピソードだったな」と思える部分なので、映画でその部分が無かったのは正解でした。原作がある映画でがっかりさせられることが多いのは、原作で重要なエピソード、「この部分がカットされていたらその後の話の展開の意味を成さない」と言う部分を存分にカットされているからだと私は思います。(例えばハリー・ポッターシリーズ。特に第2・3作。)しかしながら原作ファンでもこの映画は満足出来ると思います。 またこの話は非常に重層的です。いくつもの登場人物の視点から描かれています。多角的な視点で描かれる作品は、多角的な思考を観客へ与えます。

 

現代の世界情勢などと例えば重ねてみても、「自分にとって良い」ことが「全員にとっても良い」なのか?を考えさせられるキッカケになるのではないかと思います。 いちおう原作は「児童文学」の枠に入れられてはいますが、児童文学だからといってなめないでほしいです。全く以て「児童文学」ではありません。ピーター・ラビットと同じではありません。(全ては読み手の読み方次第ではありますが。)作者トールキンは、元は言語学者です。原作にも現れる種族が話す独特の言語(エルフ語やエント語)が映画でも再現されていますが、トールキンはこれらの言語を体系化してから原作に使用しました。他の世界文学を見ても、ここまで凝って創られた作品はそう無いです。 俳優の演技ももちろん良いです。言葉や台詞だけでなく、ふとした動きや表情で語ることが出来るのは俳優としての質が良いと私は思います。

 

この映画でしみじみとそれを感じました。あのメンバーで、本当に良かった。台詞を語りすぎる映画は、台無しです。 最後に、映画の音楽も原作の世界観と合っていました。私がDVDだけでなくサントラまで全部揃えた映画はこれだけです。主題歌もエンヤやアニー・レノックスが歌い、特にアニーの力強い声で最終章のエンディングを飾るのは感動ものです。詩が完全に映画の内容・世界観と合っています。疑う方もいらっしゃるかと思いますが、是非ご覧頂いてから判断してほしいです。あの音楽だけを聞きたくて、全3部分のサントラを通しで演奏されるコンサートにまで行ったのは、良い思い出です。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

いわゆる「ハリウッド・ムービー」と言える作品や、単純な話の筋書きに飽き飽きしている方にオススメです。絶対に飽きません。何度でも観たくなります。勧善懲悪にも決してならない話は、「ハリウッド・ムービー」と逆です。 また、言語学に興味がある方も、是非独特の言語体系に着目しながら観てほしいです。 しかしながら大変長い作品なので、気軽に観て終わりにしたい人には向かないです。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

是非時間に余裕を持って観てください。大変長いです。そして一部のDVDでは 映画館で未公開のシーンがついているかと思います。通して観ても構いませんが、未公開シーンのみは全編視聴した後から観るのでも宜しいかと思います。私なら未公開は後回しにします。(原作を知っているからこそ「お、あの場面か~」としみじみするシーンが未公開になっている割合高し。) 原作は後回しでも良いです。映画に引き込まれてから原作を読破するのも良いかと思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

東京在住の30歳女性です。四年制大学を卒業し3年ほど就職した後に「再度勉強したい!」と考え、現在ヴィクトリア朝期の英文学を主に学ぶ大学院生として日々を過ごしています。