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みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

ロビンソン漂流記とクルーソーのその後を探る小説

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あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

『ロビンソン漂流記』     著者 ダニエル・デフォー 翻訳 池田 宣政 併せて『ロビンソンの足あと』 著者 高橋大輔

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

本屋をやっていた母親が、『乞食王子』以来すでに恒例化していた「誕生日プレゼント」にと家業とは別の大きな本屋に連れて行ってくれて選んでくれたものでした。 大事な一冊として子どものころは何度も読み返しましたが、成長とともに本棚に仕舞ってあるだけになっていました。 大学生になるとマルクスの『資本論』などの経済書のなかで『ロビンソン漂流記』の記述を見つけて、ふたたび小説の世界と現実の社会の比較をすることになりました。 その後併せてお薦めしたい冒険家の高橋氏が書かれた『ロビンソンの足あと』によって、子どもの時に感動した冒険小説が現実の世界で解明されていくリアルな冒険を、文章によって体験することができるようになりました。

その小説を読んで良かったと思う感想

往時は何も持たないところから工夫して生き抜く力を与えてくれる物語に想いを寄せたことと、主人公が待ち望んだ救出によって苦労して得た物資を残してでも島を去る気持ちを天秤にかけて「安定」と「安心」を想像できたことです。 また読み進めていくと、目的を遂げるためには時間を費やすことが当たり前のように感じられるようになります。 私たちは日々時間に追われ喧噪の中で過ごしていますが、物語のなかに入り込んでいくうちに時間に対する焦燥感がなくなり、子どもながらも自分の発想を現実にするための達成感を求めたいと思うようになっていきます。 一足飛びに結果を求めるのではなく、発想し目標を立てコツコツと成果が出るまで繰り返すことが描かれているのは、遠い昔の小説とは思えないほど共感できるはずです。

 

「近頃の子どもは……」と耳にしますが、実は私たちもいまの子供たちと同じようだったのかもしれません。 だからこそ、この物語に触れた時には読み手の時代に関係なく感動し、その感動に余韻を残してくれて我が子へと300年以上も読み継がれてきたのかもしれないのです もともとは実話をもとに書かれた小説でしたので主人公のモデルとなったその後や、小説の主人公であったロビンソン・クルーソーのその後については想像のなかでストーリーを膨らましたような記憶があります。

 

たぶん現代の子供たちも300年間続いてきたように想像の翼を広げて、冒険小説として読み終えるだけではなく、その先の方向性を感じていくことになると思います。 実際に単なる冒険小説だったはずの『ロビンソン漂流記』が世の中に波及したことで、経済学のマルクスウェーバーに影響を与えたことは、その学問をかじっただけでも知っている常識事ですし、他の小説への影響はもとより映画やマンガの世界でも二次ストーリーとして利用されていますので、現代の子供たちにとっても楽しめて為になる小説となることは間違いないでしょう。

その小説がオススメだと思う方は誰?

我が家は決して裕福な家ではなく、また母子家庭であったことから「母が死んだらどうしよう」とはいつも思っていました。大人になれば他愛もない心配事ですが、幼いころには誰しもが心の底で不安に思う「孤独」や「孤立」を解消してくれる物語だと思います。 そして「自立心」や困難に立ち向かい成し遂げる「一念通天」を感じ取ることができるはずです。 特に感受性が強くなる前の小さなお子さんが一読されることで、成長期の理由なき不安に対する解決を自らがなされるきっかけになると思います。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

この『ロビンソン漂流記』や『ロビンソン・クルーソー』は、小説を訳された翻訳者によって多少内容が変わっています。 最初に翻訳をされたのは吉田茂首相の息子の吉田健一氏ですが、原書を忠実に翻訳したのはこの池田宣政氏の翻訳書と言われています。 いまから300年前の世界観は大航海時代であり布教の時代でもありました。 小説の内容がいまでは通用しないところもいくつか記されていますが、ことの本質を読み取ることで時代を超えて読み継がれていくものと思います。 特にこの小説がサバイバルの冒険小説であったのか宗教観を根底にした教本の役割があったのかは、その後発刊された2編3編の続編を読まれてみると感じ取ることができるかもしれません。

 

ちなみに主人公のロビンソン・クルーソーのモデルはスコットランドのアレキサンダー・セルカークという船乗りで、航海中に船長と争いになり島に置き去りにされた実話をもとに小説化されたものなのです。 およそ300年後となった2000年代になってから冒険家の高橋大輔氏がその「住み家」を探し当て『ロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまで』という本を出版されています。 単純な実証ものとしての読み物ではなく、スリル有りの小説風の物語としても楽しめると思いますので、子どもには『ロビンソン漂流記』を、大人には『ロビンソンの足あと』を併せて読まれると家族そろって楽しむことができると思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

家業が小さな本屋だったのでたくさんの本に囲まれて育ち、誕生プレゼントのハードカバーが、今が旬の花子とアンの著者の『乞食王子』でした。以来ジャンルを問わず読み余韻のある作風を読み続けています。