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みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

苦しみに打ち勝つ人生観を教えてくれる小説 ~十二国記シリーズ~

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あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

十二国記 月の影影の海」 小野不由美

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

最初に読んだのは、高校生の時、テレビアニメで知り、原作を読んでみました。 最近、完全版が発行されたことを知り、久しぶりに読み返しました。

その小説を読んで良かったと思う感想

人生に躓いたとき、苦しいとき、生き方を考えさせられる小説です。 主人公は、女子高生の陽子。 陽子がある日突然、異世界へと連れ去られてしまいます。 十二国の王として突然連れ去られた陽子は、途中何者かに狙われ、 知らない世界で一人ぼっちになってしまいます。 絶望の中で必死に生きていく中で、 陽子は自分の弱さと向き合い、人間として成長していくお話です。

 

この物語はメルヘンな異世界ファンタジーとは少し違います。 十二国の世界は、日本とは文化や考え方が異なるとはいえ、 そこで生きる人々の感情や、命の重さは、生々しく描かれていて、 別世界のお話とは思えない何かがあるのです。 たくさんの人間に騙され、誰を信じればよいのか分からなくなって、 自分は生きていても意味がないと思ったり、 誰も何もしてくれないから、自分を不幸だと思ったり、 人が生きている中で陥ってしまう自分の弱さと向き合う姿に心を打たれます。 「追い詰められて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか。 善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。 絶対の善意でなければ、信じることができないのか。(中略) そうじゃないだろう。」 「ここで死んだら愚かで卑怯なままだ。

 

死ぬことを受け入れることは、そんな自分を許容することだ。 生きる価値もない命だと、烙印を落とすことはたやすいが、 そんな逃避は許さない。」 「裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑怯になるだけで、 私の何が傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい。」 初めてこの小説を読んだのは、私が高校生の頃でした。 高校生の頃は、ただ単純に、同じ年頃の主人公がいろいろとつらい目にあって可哀想だな、 次はどんな展開になるんだろうとハラハラしたり、 途中で登場する陽子にとっての初めての友達にほっこりしたり、 物語そのものを楽しんでいたように思います。

 

しかし、大人になって改めて読んだとき、 その頃、仕事が辛いと思っていた私は、この物語の一つ一つのセリフに衝撃を受けました。 自分のしたことが報われない毎日と、周りの人間と上手くやれない日々に嫌気がさし、 自分なんて必要ない、どうせ私なんてダメなんだと思っていたところでした。 陽子のこれらの言葉に、どんなに辛い思いをしても、裏切られてもいいから自分の思う道を突き進もうと思えました。 辛いことがあっての人生で、それを乗り越えるたびに人は強くなれるのだと再確認できた小説でした。

その小説がオススメだと思う方は誰?

人生にちょっぴり疲れている方におすすめです。 特に、仕事や学校で、自分を出せずに苦しんでいる人に読んでもらいたいです。 主人公の陽子は、日本では、引っ込み思案で自分の意見を言えない八方美人の優等生でした。 現代日本では、周りと合わせることでなんとか上手く人間関係を保てることも少なくありません。 私自身も、職場では本当の自分を出せていなかったと思います。 陽子は、そんな自分になんだかぴったりと合う存在でした。

 

陽子自身が悩み抜き、苦しんでいる姿に共感を覚え、 一つ一つの言動が自分と重なっていきました。 そんな自分の中で揺れる弱さに、なんだか疲れたなと感じている方は、 きっとこの本を読めば、元気が湧いてきます。 世界は違っても、主人公の陽子が、 まるで苦しんでいる自分の気持ちを代弁してくれているかのような錯覚にとらわれ、 夢中で物語の中に入っていけると思います。 ダメな自分でも頑張れるかもしれない、もう少しだけ踏ん張ってみようと勇気づけられると思います。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

物語(十二国の世界)の設定が、かなり細かいところもあるので、 ややこしいと感じてしまう人もいるかもしれませんが、 シリーズを読み進めていくうちに、だんだん分かってくるはずです。 また、今回紹介した第一作目は、特に上巻では、十二国の暗い部分がかなり登場しますが、 下巻からだんだん明るく展開していきます。 上巻を読み切るまでは、少し我慢が必要かもしれません。

 

今回紹介した「十二国記 月の影影の海」は、十二国記シリーズの序章のようなものです。 シリーズをたくさん読み進めていけばいくほど、国同士のつながりが出てきて、面白くなってきます。 その中で、私のお勧めは「十二国記 風の万里黎明の空」です。 これは、月影の続編で、第一作目と同じように、今度は3人の少女が成長していく物語です。 心に訴えかける名言が、たびたび登場します。 ぜひ読んでみてください。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

27歳主婦です。