読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

『知覧からの手紙』の小説がおすすめです

小説
スポンサーリンク

あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

『知覧からの手紙』水口文乃著 です。

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

私が高校生になったくらいから太平洋戦争の事に興味を持ち始めました。きっかけは父親が太平洋戦争の話や零銭、戦艦大和の 本を多数所有していたため、自然とそれらの本を読むようになりました。 大学生になった頃から特に特攻の話などに興味を持つようになり、旧日本軍の特攻の話や、終戦間際の頃の本を読み始めましたが、それらの本は特に誰かを取り上げているのではなく、特攻に対する時代背景やなぜそうなったか?などの説明ばかりだったのでもっと特攻で亡くなった人に焦点を当てた本を読みたいと考えていました。 そして、あるテレビ番組で上記の小説に出てくる穴沢利夫少尉についての話を取り上げていて、もっと穴沢少尉についての詳細が知りたく、この本を探して読みました。

その小説を読んで良かったと思う感想

特攻という作戦の無常さを知りました。それまで読んでいた戦争に関する本でも、もちろん特攻という攻撃方法について どういう作戦で、どんな人々が亡くなり、批判を浴びていたという事は知っていました。 「知覧からの手紙」は、特攻で亡くなる穴沢利夫少尉の元婚約者であった千恵子さんが穴沢少尉が亡くなるまでに交わした 手紙や穴沢少尉がどのようにして、知覧基地まで向かったのか、旧陸軍に入るまでどのような生活をしていたのか、どのようにして千恵子さんと出会ったのかを千恵子さんの目線で語っています。

 

義務教育の日本史や社会などでは、特攻については学徒出陣があって若い人達を集め、その人が亡くなったというくらいしか 説明していません。 そして、出征していった人々が何か特別であるように語っていて、この時代の若い人達は国のため・天皇のためを思い 死んでいったと簡単に語っている本が非常に多いです。 しかし、この穴沢少尉でしろ、誰にしろ、自分の思う大切な人を守るために自分の身を犠牲にしているのです。 そして、誰もが死にたくないのです。穴沢少尉は自らが出撃する前に、婚約者である千恵子さんに 最後のラブレターを残します。 その中に自分の今やりたい事を挙げています。読みたい本、画集などがあり、 最後に「千恵子 会いたい 話したい 無性に」と書いています。 この気持ちが本望なのです。 最後のラブレターには自分はもうこの世からいなくなる人だから忘れて幸せになりなさいと書いている文章もあります。

 

しかし、それでも千恵子さんに会いたい気持ちを忘れる事が出来ないのです。 これは何も特攻という攻撃で亡くなった人々だけが感じていた気持ちではないはずです。 戦争に向かう人全てが自分の愛する人に会いたくてたまらない気持ちがあるのだと思います。 この本はただひとえに「特攻」というものを説明しているのではなく、 特攻という一つの攻撃で亡くなった多くの「人間」を語っています。 そして、この小説を読んで思ったのは、「人間は強い」んだという事です。 世の中には「愛する人のために命を懸ける」という言葉が氾濫しているけれど、 実際のそんな人々ってドラマの中だけの人だと思っていました。 けれど、この小説の穴沢少尉は実際に生きた人であり、この時代に生きた人々は文字通り命を懸けて愛する人を 守って死んでいくのです。 こんな世界が日本にも存在していたのだとただ単純に感動しました。

その小説がオススメだと思う方は誰?

若い人々、特に高校生・大学生に読んでもらいたいです。 なぜなら、同じ年代の人の話だからです。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

穴沢少尉の生きた道を感じて下さい。 ただただ特攻を批判しないで下さい。 特攻を批判したって、もう起こってしまった事だし、事実は変える事は出来ません。 でも、彼が生きた短い人生は、多分同じ年齢生きた今の人達とは随分濃さが違うでしょう。 遠い昔の話だと思わないで下さい。 そして出来たら、彼らがどれだけ立派なのか考えてみてください。 命令なんて無視すればと今の若い人々は思うでしょうが、もちろん時代が違うのでそれは出来ません。 しかし、たかが16、17歳の少年たちは自分が死んでいく理由を探し、家族・恋人を守ろうとします。 そんな風に人を愛する気持ちを持っているのです。 私はこの気持ちが立派だと思うのです。 出来たら、若い人々にもこんな風に愛せる人を作って下さい。 これらの小説を読んで自分の人生や生き方を反省しろなんて偉そうな事は言えません。 そんな立派な生活は私もしていないです。

 

でも、同じ年齢の同じ性別の、同じような事を考え生きていた人が死んでいかなくてはいけない日常があったという事を ただ知ってもらいたいのです。 私も含め、若い人々は知らない事は多いです。 しかし、知らないで済まさないでください。 知ってください。 知ろうとしてください。 いろんな事を全て熟知する必要はないと思いますが、 一つでもいいから他の人よりも多くを知っている分野を持って下さい。 命はいつ・どの場面で消えてしまうかは誰にもわかりませんが、少なくても誰かに死んで来いと言われても 死ぬ必要のない世界になっていると思います。 それは死んで来いと言われた彼らよりも、少しは何か知識を得る時間があるのです。 ただ、生きるのではなく、自分が自慢出来るものを作り、そして誇って下さい。 彼らは勉強したくても、恋をしたくても出来なかったのです。 時間がなかったのです。 自分が普通に生きる時間をムダにしないで下さい。 私は穴沢少尉の最後の言葉が全てを表していると思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

20代前半の神奈川県在住の女です。家族構成は父、母、兄2人、姉1人です。職業はテレビ番組の映像制作です。