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みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

「流星の絆」兄と弟、そして妹の使命とは・・・

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あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

  「流星の絆」 東野圭吾  

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

東野圭吾作品がドラマ化される事を知り、早々に本を手に入れて読みました。 原作を読まないでドラマを視てしまう事が勿体無いと感じたので、東野圭吾ファンとしては先に原作を読んでからドラマを楽しみたいと思いました。

その小説を読んで良かったと思う感想

ドラマでは大分ラストの部分にアレンジを加えられていましたが、やはり原作のようなシンプルさが良かったと思いました。原作での兄、弟、そして妹の生きて行く手段として詐欺を働くという部分では、実際にはそんなに上手く行くのかと思う程でしたが、東野圭吾の小説らしい独特の世界観で何故が納得をして読んでしまうのは凄いなと思えました。 三人がそのような事をして生きて来たのは、ある悲惨な過去のせいでした。

 

子供の頃、両親は「アリアケ」という洋食店を営んでいました。そこで出されるメニューで一番好きだったのは、ハヤシライスでした。子供の頃の思い出の中でも鮮烈に記憶をしていたのは良く食べさせてもらったハヤシライスの味でした。 ある日三人はに流星群を見に深夜にこっそりと窓から抜け出して出掛けたのです。そして途中で寝てしまった妹を兄が背負い帰って来ると、自宅から出て来るある男に気付きながらも家に入り両親の様子をそっと見に行こうと思った時に、両親が惨殺されている所を発見してしまいます。

 

その後子供達は他に身を寄せる所が無かった為に、必要な物だけを持ち物として許されて養護施設に入所する事になります。そこで成長し再び三人は兄弟、そして妹としての生活を取り戻します。施設を出てから次々と詐欺にあった事で、自分達も同じように詐欺を働いて行く事を決意します。

 

そのターゲットとなるのは裕福な男性で、ある時一人の男性をターゲットとして見張っていると、偶然にも兄が両親を殺害された時に自宅の外ですれ違った男と似ている戸神政行という中年の男性を発見します。 そしてその男性の経営する洋食店チェーンの名物となっているハヤシライスが父親の味に酷似していると気付き、その男が両親を殺害して店のレシピを盗んだのだと気付き復讐を誓うのでした。実は詐欺のターゲットとした裕福な男性の父親こそが三人が両親の敵と気付いた中年男性だったのです。 復讐には本来の詐欺のターゲットであった息子を利用する必要がありました。妹の静奈に息子の戸神行成に近付くように言い、静奈もその通りに行動をしますが、次第に行成に惹かれてしまうのです。それが誤算となりこの計画は意外な方向へと進んで行きました。 そしてこの三人を見守って来たのが、当時両親の事件の担当をしたある刑事でした。柏原刑事は事件解決の為に事件以降ずっと執念を燃やして来ました。

 

そんな刑事がいた事に三人は救われていたのだと思います。それでも詐欺の事は決して知られてはいけない事でした。その上復讐を考えている人物がいるという事も内緒にして来ました。 それは言えば警察に逮捕されて復讐を決行する事が出来なくなるからでした。兄の功一は難病で失った自らの子供の代わりに可愛がられていたのだと思いながら、この小説を読み進めました。

 

しかしながら、柏原刑事が子供達に親身になっていたのは全く別の理由であった事が判明します。また真犯人であると思っていた戸神政行から真相を聞き、本当に両親を殺害したのは誰かという事に功一は気付きます。 今まで信頼して来た人物が真犯人であり、それも息子の治療費を払う為のお金目当てだった事が殺害の原因であった事を知り愕然とした功一の気持ちはどんなだったかを想像すると、読んでいる私もその真相の衝撃と共に何とも言えない気持ちになりました。流星を見に行った事で難を免れた三人でしたが、真犯人であった柏原刑事は子供達に罪滅ぼしをしたかったのだと思いました。

 

勿論真相を知った三人がその罪を許せるはずはありませんが、長い間子供達を見守って来た理由がここでようやく分った気がしました。 この小説は三人の絆が大きなテーマとなっていて、兄弟は血の繋がらない父親の再婚相手の連れ子だった静奈を妹として、時には女性として大切にして来ました。その静奈にいつ血が繋がっていない事を伝えようかと悩んでいましたが、実は彼女はずっと前から知っていたようでした。

 

それでも特に騒ぐ事も兄に問い詰める事もなく何事もなく時間が過ぎて行ったのでした。そんな静奈の強さと健気さも2人の兄は大切にしていたのだろうと思いました。 親の仇打ちというフレーズは今では流行らないのでしょうけども、そんな境遇に育ってきた兄弟、そして妹だったからこそ大切な事だったのだと思います。何とも悲しくせつない小説でしたが、「絆」の大切さを訴える小説でもあったと思います。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

流星群という美しいテーマは、その後の両親の惨殺へと繋がる序章であったわけですが、その後の三人の境遇と強く生きて行く文章を是非読んでみて頂きたいと思います。絆という言葉は現代では希薄となっているように感じますが、改めて家族の大切さを感じる事が出来るのではないかと思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

 48歳 専業主婦 夫と子供2人の4人家族で埼玉県在住