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流石直木賞作品と言える1冊「容疑者Xの献身」

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あなたが良いと思った小説と著者名を教えてください

容疑者Xの献身東野圭吾

なぜ、その小説を読むことになったのでしょうか?

  東野圭吾の小説を読むきっかけとなったのは、それよりも前に「白夜行」という小説がドラマ化されるにあたり、ドラマに出演する俳優のファンであった為に、ドラマを見る前に原作を読もうと思った事が初めでした。この小説は長編小説ではありましたが、一気に読む事が出来るくらい面白い小説で、それまで東野圭吾という作家を恥ずかしながら知らなかったので、とても強い衝撃を受けました。

 

容疑者Xの献身を読む事になったきっかけは、直木賞受賞でその小説の存在を知った事です。もちろん直木賞を受賞する小説とはどんな小説であるのかという興味が多分にあった事は否めません。それでも兼ねてから東野圭吾という小説家には興味があった為に、直ぐに読んでみたいという気持ちになりました。その時に初めて単行本という黒い表紙のハードカバーの本を購入する事にもなりました。

 

単行本は文庫本よりも価格が高い事で多少の躊躇はありましたが、当時はまだ文庫本が発売されていなかった為に選択肢は無いという状況でもありました。 それでもこの本を読みたいと思った理由は、白夜行で感じた何処にも無い東野圭吾の世界を感じたいという思いがあった為です。黒い表紙の中にどんな世界が広がっているのか興味深々であったのです。

その小説を読んで良かったと思う感想

そしていざ容疑者Xの献身を購入し読み始めると、「白夜行」同様にどんどんとページが進み普段本を読むのが遅い私ですが、自分でも驚く程早い時期に1冊を読み終える事が出来ました。 まず読んでいて直ぐに気になったのは、大学の物理学の準教授の存在でした。

 

その後この小説は映画化されたお陰で、それぞれの人物が映像という具体的な姿となり、それぞれに独自のキャラクターを持ちました。それでも小説の中ではそれぞれの登場人物は読んでいる人の脳の中で出来上がるものであり、その姿は漠然としたものであったり、または実在の人物に脳内変換をされるものだと思います。私の場合はその前者の方でした。

 

それ故にこの小説での大学の準教授はそれ程大きな存在感を感じずに、小説のラスト近くまでは少なくとも他の人物をメインの登場人物として認識しながら読む事となりました。その人物とは、アパートの隣人の母娘をかばった高校の数学教師でした。勿論映画でも小説には無い部分を補填しているシーンがありましたが、小説ではそれ以上にこの数学教師の存在が最も大きく描かれています。

 

この小説での主人公は数学教師であると思われる為、読み進める時にもこの数学教師視点で物事を考えながら読む事になると思います。 この小説のストーリーの概要とは、隣人に兼ねてから好意を寄せていた数学教師は、隣からの大きな物音等から何か良からぬ事が発生した事を感じ取ります。その後隣のドアを叩き、家の中に入った数学教師の男はその大きな音の原因を知る事になります。彼は咄嗟にこの母娘を守らなければならないという使命を抱く事になります。

 

その結果証拠隠滅、偽装工作等を母娘にも協力をさせて行います。 その後事件が発覚し、被害者の人間関係から直ぐに母娘の元に刑事がやって来る事になります。その捜査に協力をしたのが刑事の大学時代の同じサークルの友人であり、数学教師とも同じ大学であった物理学の準教授です。小説ではそれ程多くの登場シーンがあるわけではありませんが、たまに登場をする度に少しずつ包囲網が狭くなって行く事を読者も感じる事が出来るような描写となっています。

 

小説のラストでは東野圭吾らしい予想外の展開が待っています。途中までは読者も予測が出来ていても最終的な事実は予想が出来ない人も多いのではないかと思います。最終的に受ける事実に対しての衝撃は東野圭吾の小説の中でもかなりのレベルであると思うのと共に、「なるほど」と感心するストーリー展開に東野圭吾作品の面白さを発見する事が出来るそんな1冊です。 これ以降私は東野圭吾作品を読み漁る事となりました。

これからその小説を読もうと思っている方へのアドバイス

東野圭吾という作家は直樹賞作家でもあり、日本でも屈指の人気作家と言えます。その為映像化をされている小説も多く、それらの映像作品はいずれも人気や実力を兼ね備えた俳優が主役となっています。それらの映像を見てしまうと主人公のキャラクターには強いイメージがついてしまう為に、映像作品を視た後に初めて原作を読まれる事になる方は、多少の先入観を持って読む事になるでしょう。

 

そんな読み方もまた面白いかも知れませんが、まだ容疑者Xの献身の映画を見た事が無いという方は、是非先に小説を読んでいただくと良いのではないかと思います。そして既に映画を視たという方は、なるべくならば映像の方のイメージとは別物として読まれるとこの小説を更に面白く読む事が出来ると思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

 48歳専業主婦、夫と長女・長男の4人家族であり埼玉県に在住しています。