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みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

大人心を切なくさせる、黄昏のビギン

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なぜ、その歌が良いと思ったのでしょうか?

夕暮れ時、雨の街中を恋仲のふたりが歩いている、という曲です。 夕暮れ時の街の雰囲気や、雨に打たれながら歩いている女性の様子が美しく、情緒たっぷりに表現されています。ふたりが言葉を交わす場面は歌詞にははなく、なぜふたりが雨の中をあるいているのか、ふたりがどんな関係なのか、そういったことは全くわかりません。ただ、雨の中を歩いているのです。

 

「初めての夜」「初めてのキス」とあるので、ふたりは付き合い始めて間もないのかもしれません。雨の風情に彩られて、初々しさ、みずみずしさを感じさせるふたり。でも、このふたりが若い人たちだとは限りません。恋をしたらいくつになってもドキドキしたり、切なくなったりするんですから。むしろ、年をかさねた年配の人ほど、恋の怖さやもろさを知っているからこそ、より深く、恋に胸の内を揺さぶられてしまうかもしれません。 初めて恋をしたふたりなのか。

 

これまでも知り合いとしては長い付き合いだったけど、いつしかお互いに恋心が芽生えて、それを今この逢瀬で確信したのか。それともふたりは人目を忍ぶ恋をしていて、いけないことだと思いつつも、焦がれる気持ちに押されて、この雨の中にいるのか…ただふたりが相手を慕う気持ちを胸いっぱいにして、雨の中を歩いていることだけは十分に伝わってきます。 この曲には言葉(歌詞)がとても少ないです。

 

なので、ふたりがどんな間柄なのか、これまでどんな道のりがあって、今、この雨の日の夕暮に至ったのかなどの理由は全くわかりません。でも、余計な歌詞が無いぶん、想像力が働き、いろんなシチュエーションに当てはめたり、自分の過去の恋を重ねたりしながらながら聴くことができるのです。 曲調は穏やかなメジャーコードで流れていきますが、どことなく寂しげな感じもします。

 

それでいて、人間らしい、ぬくもりや感情が伝わってきます。黙々と静かに時は過ぎていくけれど、好きな人と一緒にいられることの幸せで心が震えてしまう。そんなふうに私には感じます。 短い歌詞の間に、長い間奏が入ります。憂いのあるメロディラインが、ますますこの曲に深みを与えます。耳で追っていくうちに、聴いている人の想いは過去の恋にたどり着いたりもします。 自分もはるか遠い昔に、こんなふうに初々しい気持ちで、好きな人と一緒に歩いたものです。

 

どんな会話をしたのかはもう覚えていませんが、その人と一緒にいられるだけで幸せで心がいっぱいでした。もう何十年も前のことなのに、そのときの喜びや切なさ、恥じらい、胸のときめきは、今思い出しても胸がキュッと苦しくなります。ほろ苦い思い出というやつです。 自分の過去を振り返り、切ないながらも精一杯に恋をした頃を思い出すということには、セラピーのような効果があるのかもしれません。

 

自分の人生が豊かであったこと、楽しいものだったということを確認することは生きていく上でとても大切な行為だと思います。 今はもう、家事育児仕事に追われて、忙しいばかりの毎日。旦那さんは全然かまってくれないし、体は老いて、心はすっかりおばちゃんです。

 

この曲のように、あの頃のように、ドキドキしながら誰かと一緒に歩いたり、見つめられたりするようなことはもう、二度とないんだろうなぁと、アンニュイな気持ちになったりもするのですが…。恋していたことを思い出すと、女性として錆びついていた心が若干潤ってイキイキできるような気もします。 恋を忘れた大人たちが、聴くたびに「恋って素敵だな」ということを思い出すことができる、素晴らしい曲だと思います。

その歌がオススメだと思う方は誰?

老いも若きも関係なく、すべての男女にオススメします。これまでに恋をしたことがある人、そして、これから恋をはじめる人にも、おすすめしたい曲です。

これからその歌を聴こうと思っている方へのメッセージ

この曲を、初めて聴くのに懐かしい感じがすると思う人も多いのではないでしょうか。「黄昏のビギン」は1959年に水原弘さんに発表され、その後もさだまさしさんや、中森明菜さん、薬師丸ひろ子さんなど、多くのアーティストにカバーされています。中でも、1991年に発表されたちあきなおみさんのナンバーは、今でも数多くのCMで起用されたりしていて、とても有名です。

 

最近では、モデルのすみれさんがカバーしています。彼女の柔らかい声と豊かな表現力のある歌いっぷりは素晴らしいと思いますが、ちあきなおみさんのしっとりした大人の歌声には、人生の酸いも甘いも知った上で謳いあげている、というような憂いがあり、大人の心に染み入る響きがあるような気がして私は好きです。 恋をしたことがある人なら、きっと何か感じることがある。そんな曲だと思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

40代の主婦。フルタイムのパートで働いています。小学生と高校生の子供、主人との4人家族で、静岡県にすんでいます。家事の合間を縫って、映画をみたり音楽を聴いたり、のんびりまったり過ごすのが好きです。