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フレディ・マーキュリーの魂の叫び「The Show Must Go On」

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あなたが良いと思える歌を教えてください

私が好きな歌はQueenの「The Show Must Go On」です。 Queenは1970~90年代にかけて活躍したイギリスのロックバンドです。そのオペラ風の派手なコーラスや、ギターオーケストレーションを取り入れることで、独自の作風を生み出しました。そして何よりボーカルのフレディ・マーキュリーの圧倒的な歌唱力によって世界中で大ヒットを飛ばし続けたのです。

 

しかしまだ活動中であった1991年に、突如としてフレディがエイズ感染者であることを告白します。そしてその翌日には訃報が世界中に伝わり、バンドは自然消滅のような形で活動を停止することになってしまいました。 しかし1995年にはフレディが生前に録音したボーカルに演奏をつけて『Made in Heaven』を発売し、ふたたび世界的なヒットを記録することになります。

 

また2000年代半ばからも残ったメンバーたちがゲスト的にさまざまなボーカルを迎え入れ、たびたび復活をしています。 「The Show Must Go On」はそんな衝撃的なフレディ・マーキュリーが死の直前、まさに病魔に体を蝕まれていた最中に録音された曲なのです。

 

そのため作曲をしたブライアン・メイはフレディの体調を不安視していましたが、この曲を受け取ったフレディ・マーキュリーは「この曲にすべてを捧げる」と歌うことを約束したのだといいます。 まさに曲名通り「Show must go on(やり遂げなければいけない)」というフレディの魂の叫びのような曲といえるでしょう。

なぜ、その歌が良いと思ったのでしょうか?

私がQueenと出会ったのは、それほど早い時期ではありませんでした。Qeenやフレディ・マーキュリーという名前、その亡くなったさいのニュースなどはさすがに知っていましたが、本当にそれくらいで後はまったく知識も何もありませんでした。 その死からちょうど5年くらいたったころでしょうか。

 

そのころ知り合った友人にたまたま借りたのが、Queenのアルバムだったのです。 正直なところ、ほとんど興味はなかったのですが、まだ知り合って間もない相手が薦めるものを無下に断るわけにもいかず、何の気もなしに借りたものでした。 しかし大げさかもしれませんが、聴いた瞬間に「これだ!」と思えるまさに電撃のようなものが背中に走ったのです。1曲目から見事にそのサウンドに引き込まれ、気がついたときにはあっというまに聴き終えてしまっていました。

 

ほかにも好きなミュージシャンは数多くいますが、あのような出会い方をしたのはほんとうに数えるほどしかありません。それ以来すっかりファンになってCDを買い集め、そしてかなり後になって聴くことになったのがこの「The Show Must Go On」だったのです。 もちろん、最初によいなと感じたのはその曲自体でした。

 

静かながら厳粛に流れるイントロから、「Empty spaces(空っぽの場所)」とフレディの囁くような歌が始まり、そのイメージは広大でありながら寂しげな空間を想起させます。そこにだけスポットライトが当たっているかのように語り続けるフレディの歌声は、やがてサビに入って一気に伴奏とともに大きく盛り上がり、あの「The show must go on!」という悲痛な叫びともとれるような歌声が胸に突き刺さってくるのです。

 

私は洋楽を聴くさいはまずはあまり訳詞などを見ることはないので、何を歌っているのかはせいぜいその部分しか分からない程度でした。そして背景となるエピソードなどもあまり事前には調べたりしないので、この曲を歌ったときni フレディがすでにそのような状態にあるということもまったく知りませんでした。

 

にもかかわらず、まるで命を燃やし尽くすようなその突き抜ける声、そして最後までステージに立ち続けるんだという意志のようなものが、歌詞の意味を通り越してびんびんと伝わってきたのです。 まさにこれが「歌」だ、と思わせられるほどに圧倒されていました。 そして幕が降りるように静かに消えていく曲に、ぐっと切ないものを感じていたのです。

その歌がオススメだと思う方は誰?

誰にでも聴いてほしいと思う曲であるのは当然なのですが、特に歌をうたったり作ったりしている人、またそれにかぎらず役者や創作などクリエイティブなことに打ち込んでいる人たちにはぜひ聴いてほしい歌です。 中でも、なかなか身にならず、空回りしているような思いの人たちも多いと思います。そのような人たちは、このフレディの魂のこもった言葉に励まされるのではないでしょうか。そしてそれと同時に、ショウ(作品)というものはこういうものなんだ、とまさに見せつけるような歌声にも圧倒されてほしいと思います。きっと、自身の活動にも大きな糧となってくれることでしょう。

これからその歌を聴こうと思っている方へのメッセージ

この曲はアルバム『Innuendo』で聴くことができます。同時に収録されている表題作「Innuendo」もまた素晴らしい曲なので、ここから聴いてもらうのもよいと思います。 またベスト・アルバムである『GREATEST HITS II』にも収録されているので、そちらで聴いてみるのもよいでしょう。

 

しかしその場合はぜひ、Queenの独特のイメージを確立した初期の作品集である『GREATEST HITS I』も聴いてほしいところです。ロック史上の最高傑作ともいわれる「Bohemian Rhapsody」など、まだフレディ・マーキュリーのがエネルギーに満ちあふれていた歌声に触れることで、もちろんそれらの曲自体もそれぞれ引けを取らない名曲揃いなのですが、より「The Show Must Go On」の鑑賞に深みが増すと思うのです。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

30代後半、一人暮らしの自由業、独身男性です。