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視聴率は悪くても深いドラマ「高校教師2」

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なぜ、そのドラマが良いと思ったのでしょうか?

主要キャストが藤木直人上戸彩成宮寛貴ソニン、京本正樹です。前作からは京本正樹だけが引き継がれていますが、内容は全く違います。今回のテーマは高校教師と女子生徒との禁断の愛とは違って、人が生きる上での孤独や寂しさ、依存による愛情、死に対する恐怖などが描かれています。

 

内容は、元エリートの会社員だった藤木直人が脳の病気で仕事をやめ、主治医の先生に女子高の教諭の仕事を紹介してもらうことから始まります。藤木直人はそこで数年を過ごした後に、ゆっくりと死を迎えようと思っていたのですが、死を身近に感じながら生きて行くのは相当な苦しみがありました。

 

毎晩眠れずに頭を抱えたり、誰でも良いからただそばにいてくれるだけの存在を探して街を出歩いたり、人生はただ耐えるだけの日々でした。そんな日々を終わらせようと何度も自殺未遂をしたこともありますが、なかなか自分から死ぬことはできません。仕方がないなので苦しみながら生きる日々を過ごし、そこで上戸彩に出会い、自分の苦しみを分かってくれる人と初めて巡り合ったのです。

 

それは偶然の出来事からでした。 上戸彩が体育の授業で頭を打って病院に運ばれ、担任だった藤木直人が付き添いました。上戸彩の症状は何でもないものだったのですが、その病院は藤木直人の通院している病院だったので、そこで主治医の先生に自分の病状を聞いていたところを上戸彩に盗み聞きされます。藤木直人は自分の病気がばれたと思って焦りますが、上戸彩は勘違いをして、自分があとわずかしか生きられない病気だと思ってしまいます。

 

普通だったら、それは違う、病気なのは自分のほうなのだと言えば済むのですが、藤木直人は苦しんでいる上戸彩を見て、まるで少し前の自分を見ているようだと錯覚してしまうのです。そうして自分と同じように苦しんでいる人がそばにいることで、全くの一人ぼっちだった孤独から救われた気になるのです。ですから、藤木直人はいつでも種明かしをするのを覚悟しながら、しばらく様子を見ることにしました。

 

そこで気をつけなければならないのは、上戸彩が自殺をしてしまわないかということです。ですから、藤木直人は教師という立場を乗り越えて上戸彩と接しますが、上戸彩が元気だと「なぜこんなに元気でいられるのか」と苛立たしくなってしまい、逆に悲しそうにしていると、自分が救ってあげないといけないと優しくなります。それはきっと、自分を救うことに繋がるからです。

 

そうしてお互いになくてはならない存在になっていき、初めて幸せを感じます。ですが、いつかは壊れる恐怖も常にありました。それでも、一人で孤独にいた時の苦しみよりかはマシなのでごまかしていました。 その状態を成宮寛貴上戸彩にばらしました。そこで物語はいっきに動き出し、上戸彩藤木直人から離れて行きます。藤木直人上戸彩を失うことは、死と同じくらいの苦しみがありますから、どうしてもいっしょにいたいとすがって見せるのですが、どうしようもありませんでした。

 

ストーカーになる前に全て忘れて田舎で余生を過ごそうとしました。 ところが、上戸彩藤木直人への愛が本物だったと気付き、田舎まで追いかけてきました。藤木直人は一端は断って帰るように言いましたが、上戸彩の言葉でもう一度二人で生きようと願いました。 「私は鏡だよ。全部わかるんだから」 これがそのセリフです。

 

自分のことを理解してくれる人はなかなかいませんが、自分と同じ苦しみを味わい、自分の鏡を見ているように接していた上戸彩ならば、自分の心の苦しみを誰よりも理解してくれる。それこそが本当の愛であり、救いだと思ったのです。 それから二人は田舎から戻ります。 そこで違うトラブルに巻き込まれていた京本正樹の死を知ります。 次に死ぬのは自分だと思い知らされると、恐怖でおかしくなります。

 

その苦しみを共有させてはいけないと思い、藤木直人上戸彩の元から消えます。そうして一人で死んでいこうと思ったのですが、上戸彩に見つかります。 薬を飲むことをやめて禁断症状が出ていた藤木直人に、上戸彩は手術を勧めました。 後遺症が残っても良いから生きていてほしい。それが上戸彩の願いでした。 人はどんな状態でも良いから生きていてほしいと願ってくれる人がいることで、このつらく寂しい世の中を生きていけるのではないでしょうか。そんなメッセージ性のある素晴らしいドラマです。

そのドラマがオススメだと思う方は誰?

愛を見失っている人や、孤独に打ちひしがれている人に見てほしいです。

これからそのドラマを観ようと思っている方へのアドバイス

メッセージ性が強く、ふとしたセリフの端々に色んな思惑が詰まっています。 この状況はなぜ?この感情はどういう意味?このセリフや行動は人の何を表しているのか? そんなことを考えていると、余計に物語の深みを理解することができます。 藤木直人さんと上戸彩さんの演技も素晴らしく、本当に泣ける場面もあります。 私はこのドラマを何十回と見ました。今でも一番のドラマだと思っています。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

大阪府に住んでいる36歳の男です。