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衝撃的なドラマとその中に隠された愛情「白夜行」

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なぜ、そのドラマが良いと思ったのでしょうか?

このドラマは東野圭吾の原作をドラマ化したもので、この原作を読む事が東野作品では初となりました。すべてはドラマを視る為の準備という事でした。実際にドラマが始まってみると原作には書かれていない事が実写として再現をされていた事に少し驚きました。それでもドラマとしてはそうしないと成り立たない事も直ぐに理解が出来ました。

 

原作では殆どの出来事が抽象的に描かれていて、読者がそれぞれについて考えたり判断をするような内容となっていましたが、ドラマではそれぞれが映像として描写される事で、分かり易かった事は確かです。また小説の中で疑問に思っていた事もドラマを視る事で納得出来たという事もありました。 原作を読まないでドラマから入った方にとっては、すんなりと入って行けたのではないかと思います。勿論ドラマである為に原作にはない話が付け足されたりもしていましたが、作者である東野圭吾さんはその辺の事には寛容な方であるようで、面白くなるならば別の良いというスタンスの方であるようです。

 

原作をドラマ化すると失敗する事が多いという定説が存在しているようですが、白夜行に関しては原作を膨らませたドラマという事で、基本的には原作に忠実であったと思いますし、原作の世界観を壊していなかったように感じました。小説を読んでいる人が推測した部分も映像化された事でイメージが別のものに変わってしまう事もありましたが、それはそれとして面白かったと思います。 また主演の山田孝之綾瀬はるかは「世界の中心で愛をさけぶ」のドラマでも共演をしている事で、視聴者にとっても見慣れたツーショットであったとは思います。

 

それでも役どころが純愛ではなくて利害関係の為に動く二人の姿が映し出された事で、セカチューのイメージが崩れたという方も居たのではないでしょうか。 また原作には無い場面が数多く登場する中で、子供の頃の事件の真相に気付いていた松浦とどのように関わりながら成長をして来たのかという事にも気付く事になりました。その事件とは初めの事件は亮司が父親をハサミで刺殺する事が全ての発端となります。亮司の父親は特異な性癖を持ち子供だった雪穂の体を汚していました。その事に気付いた亮司は父親に制裁を加えるのでした。

 

その後犯人を母親に仕立て上げて自殺に見せかけて殺害をした雪穂も亮司と同じように相手の為に罪を犯すという事になったのです。ここに同志のような関係が生まれ、その後の人生に大きく影響をして行くのでした。 また原作には描かれていなかった二人の関係もドラマでは多くのシーンで描かれています。小説の中では文章の繋がりで二人の接触を感じる事ができる部分もありましたが、ドラマではしっかりと二人が会って会話をしているシーンや時にはお互いを傷付けるシーンも登場します。この部分では原作とは大きく違うドラマならではのストーリーとなっていますが、それもまた面白かったと思います。 ドラマ化をするにあたり、監督は二人をモンスターにしたくなかったとコメントをしたそうです。

 

原作では淡々と描かれた二人の姿から得体の知れない怖さを感じたりもしましたが、ドラマでは何処かに人間らしい感情や行動を散りばめています。亮司の父親殺害事件からその後幾度と起こる不可解な事件の捜査にあたって来た、笹垣刑事はドラマでは二人にそれぞれ直接ぶつかっていきます。事件解明という使命もありますが、二人を子供時代の事件の呪縛から解き放ってやりたいという親心に似た感情も持っているという事が、ドラマでは表現がされています。

 

ドラマでは雪穂は事件は全部亮司が起こしたものだという事を言います。自分は何も自ら手を染めてはいないという事を亮司に言うのですが、その時に騙される方がバカだという言葉に腹を立てて、傍にあった小さな鉢植えを雪穂の方へ投げつけます。雪穂にそれが当たる事はありませんでしたが、怒った亮司の表情は後々まで記憶に残る何とも言えない表情でした。演技派俳優として評価をされている俳優だけある良い演技だったと思います。 最終的には事件を追っていた笹垣刑事の目の前で自殺を図る事になった亮司でしたが、そのシーンはドラマの冒頭で登場し最後のシーンと繋がる事になります。

 

そういう意味では回想シーンで綴られたドラマと言えるでしょう。 このドラマの主題歌はセカチューでも担当をした柴咲コウの歌となり、曲もとてもドラマの世界観と合っていました。ドラマのクライマックスには常にこの曲が掛かっていて、音楽とドラマがとてもマッチしていたと思います。 とても心に残る衝撃的なドラマだったと思いますが、素晴らしいキャストでドラマも4冠というように賞を受賞していたので、高い評価を受けたドラマと言えます。

これからそのドラマを観ようと思っている方へのアドバイス

このドラマは原作の素晴らしさを更にドラマ様に膨らませて、とても分かり易い内容に変えた脚本で成り立っていたドラマでした。原作には無いシーンも多くて脚色をし過ぎではないかという声も放送当時にはあったようですが、ドラマはドラマとして楽しむ事で、「もう一つの白夜行」として面白いと思えると思います。また高校生になった時に久し振りに笹垣刑事と交差点で対面した時の、亮司扮する山田孝之の表情はとても魅力的なので、特にファンでも無いという方も注意をして見ると、その後のドラマの展開も面白くなってくるのではないでしょうか。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

夫と子供2人の4人家族、専業主婦、埼玉県、48歳