みんなのエンタメレビュー

感動した映画や面白かったドラマなどを掲載しているブログとなります。

「アンタッチャブル」ギャング映画が好きな方におすすめ

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

 この映画に興味を持った入口は、あの不気味なホラー「キャリー」を撮ったブライアン=デパルマの監督作品だったからということです。ブライアン=デパルマが1930年代を舞台にギャング映画を撮る…ということで、 私の好きな「ブライアン=デパルマ」「1930年代」「ギャング」というストライクポイントが3つ揃ったこの映画は、期待を上回る面白さで、大満足でした。  物語は1930年代禁酒法時代のアメリカ・シカゴ。シカゴと言えば「ギャング」、ギャングと言えば「アルカポネ」です。

 

ギャングの王様のような人物ですよね。そのギャングに挑むのが、財務省特別捜査官のエリオットネスでした。この正義感溢れる心やさしき男、エリオットネスは、警察も裁判所も買収されまくっているこのシカゴで、密造酒摘発に孤軍奮闘していました。そんな時しがない老保安官マローンとの出会いがあります。彼は、腐敗しきったシカゴ警察において唯一汚れない純粋な正義感をもった警察官でした。頼もしい味方を手に入れたエリオットネスは、マローンの「腐ったりんごを掴まされたくなければ、木箱からりんごを選ぶのではなく木からもぎ取れ」との教え通り彼とともに汚れなき有志を集めます。

 

そして新たに得た仲間ジョージ・ストーン、オスカー・ウォレスと共に、これまたマローンの発動で、密造酒工場の現場を押さえ初白星をあげることに成功します。こうして歴史上にも悪名高きアルカポネの悪事を暴き、刑務所送りにする闘いの火ぶたが切られたのです。  ここで注目して欲しいのが「エリオットネス」の仲間です。仕事においても人生においても良きアドバイザー、ジム・マローンにはショーン=コネリーが扮しています。

 

とにかく渋い!ジェームズ・ボンドみたいにスマートなカッコ良さではなく、また違ったいぶし銀のようなカッコ良さです。財務省で畑違いの任務についたエリオットネスにはケビン=コスナー。正義感がスーツを着ているような端正な顔立ちが魅力的な俳優さんです。研修期間中の警察官ジョージ・ストーンのアンディー=ガルシアもまだ若くて美しく、射撃の名手という腕前も映画の終盤に惜しみなく披露してくれます。

 

そもそも経理しか知らないオスカー・ウォレスにメガネをかけたムードメーカー、チャールズ=マーティン・スミスが扮していて緊迫した場面を和らげてくれます。 そしてこのウォレスの経理眼のおかげで、アルカポネを脱税で告発するという、刑務所へ送るための苦肉の策が生まれます。 この犯罪摘発に対してはド素人のメンバーの中にあって、唯一警察内部に近い頼れる男マローンは、それと同時に最も命を狙われる立場でもあったのです。

 

捜査の行き詰まりに憂慮したマローンは、決死の覚悟で、元同僚の警察署長から情報を聞き出しますが、その情報をネス達に伝えようとした矢先、惨たらしく銃撃されてしまいます。息も絶え絶え駆けつけたネスとストーンにアルカポネの経理係の行方を伝えようとするマローンの最後のシーンでは、本当に泣いてしまいました。  …にしても、さすがはブライアン=デパルマ監督です。このシーンは本当に惨たらしいです。あのショーン=コネリーをこんなに惨たらしく殺せるのは彼だけでしょう。惨たらしいと言えば、このマローンの非業の死の前に、アルカポネの脱税を見抜いて経理の面から大いに貢献するウォレスも殺されてしまいます。

 

エレベーターの中で突然銃を向けられ、怯えながら殺されてしまったウォレスの死に方も、本当に可愛そうでした。  こうしていよいよ映画史上、かの有名な「あのシーン」となります。駅の階段で、逃亡をはかるアルカポネの経理係とその一味、そしてそれを阻止しようと彼らの到着を待ち伏せるネスとストーン。そこへ大きな荷物を持ち、乳母車に赤ちゃんを乗せた女性が通りかかり、見かねたネスがそれを手助けしている時に「運命の男」がやってきます。

 

 話はキャストの方に戻りますが、アルカポネを演じたロバート=デニーロを忘れてはいけません。役柄によって体格を自由にコントロール出来ることで有名な俳優さんですが、期待通りのアルカポネを演じてくれました。そしてこの豪華キャストの中で私が最も注目したのはアルカポネの側近フランク・ニッティを演じたビリー=ドラゴという俳優さんです。クールフェイスの殺し屋は、この映画の中でなくてはならない存在だと、私は思います。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

ギャング映画が好きな方…この映画を見逃してはいけません。 ブライアン=デパルマ監督が好きな方…私は「キャリー」にも劣らない代表作だと思います。 アルマーニが好きな方…衣装はアルマーニです。特にビリー=ドラゴ扮する殺し屋フランクの白アルマーニは感動ものです。 実話ものが好きな方…実在した人物の物語です。アルカポネものは面白いですね。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

残酷なシーンなどが、苦手な人はあまり観ない方がいいかもしれません。デパルマ監督の演出は、けっこう「エグい」域に達している感があります。ロバート=デニーロのカメレオン俳優ぶりを存分に堪能しましょう。ギャング映画ではありますが、基本的にエリオット・ネスの勝利に終わる感動ものです。デパルマ監督にしてはめずらしく、ラストはスカっと爽やかに終わりますので安心して楽しんで下さい。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

40代 女性 福岡県在住 夫と2人暮らし 職業…経理事務 趣味…釣り 料理 映画鑑賞

洋画「哀愁」のウィヴィアン・リーは動く芸術作品

あなたが良いと思った洋画を教えてください

ウィヴィアン・リー主演「哀愁」です。

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

モノクロの哀愁のウィヴィアン・リーが極めて魅力的なのは、あれは彼女の本質なのであって、単なる演技ではなかったという意味がこめられている気がするからです。あそこには、彼女の未来も予知できていたのではないか……と言う意味でです。 彼女は、「哀愁」のマイラ、「アンナ・カレーニア」のアンナ、「欲望という名の電車」のブランチ、みんな自らの心に正直に生きようとして、精神を病んで破滅していった女主人公……いわば、現実不適応の主人公たちです。 なぜ、ビビアンが、こういう女性に惹かれていくのかは大変興味深いものがありますが、人間、形而上学的に生きようとすると、こういう運命に人生を絡めとられることになります。

 

そこから、小説が生まれ、戯曲が生まれ、詩が生まれるのでしょう。 厳しい現実の前に、誰でも一歩道を誤れば、運命に絡め取られるのです。美しいものは、形而下的現実の草刈場になりかねません。 さて、ここからが映画「哀愁」のことに入っていきます。よく、この映画は「メロドラマ」だと言われます。ウィヴィアンが、一年前に出演して、オスカー主演女優賞を取った[風と伴に去りぬ」のスカーレットという強い女性に比べて、「哀愁」の踊り子マイラは、どちらかと言えば自己主張をしない弱い女性というイメージで捉えていると思うのですが、その対比は、余り当たっていないように思えます。 強いていうのならば、スカーレットは現実思考の強い女性、マイラは、ナイーブで精神志向の強い女性なのだろうと思うのです。

 

スカーレットは確かに強い女性ですが、こと精神性という意味では、余り感じられません。後年、ウィヴィアンも、「哀愁」という作品を好きな作品に上げていたことを考えると、このモノクロの一見地味に見える作品が、彼女の心の中にあるヒロイン像と重なったと考えられなくもないということになります。 私はそういう視点から、この[哀愁」という作品をみていきたいと思います。この作品の一番の骨子は、私は「反戦映画」だということです。その次に、イギリス社会における身分格差みたいなものも伏線としてあるように思えます。伯爵家は、普通は踊り子とは結婚できない……愛し合っても、それなりの手続きが必要になる。

 

それでも、愛する二人は、結婚までたどり着こうとした。しかし、結婚式は時間が間に合わなかったのです。そして、翌日、ロイに召集命令がきてしまう。一つひとつ、運命が狂い始めます。それも、戦争故でしょう。戦争がなければ、結婚式は翌日果たせたでしょうし、マイラが、この愛にすべてを賭けきってしまわなければ、バレー団の規約も破らなくて済んだでしょう。バレー団のキローワ女史が、もう少し寛大であったら、不況風の吹く戦時下にマイラをバレー団から追い出し、孤立させるようことにはならなかったでしょう。規則とはいえ、同性の先輩として、そうした配慮はできなかったのかということも引っかかります。 そして、運命は、若く純真な踊り子マイラの身の上に、マイナス現象として降りかかってくるのです。

 

そうして、悲劇は起こったのでした。あるいは、戦時下、こうしたことは珍しいことでもなく、多くのカップルに起きていたのかもしれません。現実に、私の叔母も海軍の恋人を戦地で失っていましたし、夫の叔母も海軍のフィアンセを戦争で喪っていたそうです。私の母は、公務員だったが、給料のすべてを老いた両親のために生活費に入れていました。「青春がなかった。」それが母の口癖でした。 私の母世代の人は、ほとんど不本意な結婚を強いられています。ここにも、戦争の影はあります。

 

さて、このあたりで、「哀愁」の大まかなストーリィの概要を説明しましょう。原題は「Waterloo Bridge」と言います。 映画は、1939年9月3日、英国政府が、第二次世界大戦が始まったというニュースがロンドンの街に流れる。 そして、初老の陸軍大尉のロイ(ロバート・テイラー)が車に乗り込み、運転手に「ウォータル橋駅へ」と告げる。が、 「ウォータルー橋で停めてほしい」と言う。車を降りるティラー。 欄干からテムズ川を眺め、内ポケットトからビリケン人形を取り出し見つめるロイ。幸運のお守りとしてマイラがくれたものである。(このビリケン人形は、マイラとロイの運命の駒回しのように、たびたび映画に現れる。

 

あるいは、この人形をロイに与えたために、ロイは戦死をしないで済み、マイラ自身の人生は破滅していったのかもしれない。)そこに、マイラの声がかぶせられ、ロイの回想シーンに変わる。 ロイの顔が若返り、第一次世界大戦時の回想が始まる。ウォルタルー橋にいたロイは独軍の空襲に遭い、仲間たちとはぐれてしまったマイラと防空壕に逃げ込み、二人の間に恋が芽生える。(これが単なる恋で済んでいたら、マイラの悲劇はなかったかもしれない。極限まで愛してしまったがゆえに、道は行き止まりでいってしまった。) マイラは、バレー団に所属するバレーリナーで、ロイに踊りを披露すると言うが、ロイは大佐と食事だからいけないと残念がる。

 

しかし夕方、オルガ・キローワ女史の指揮するダンス団のダンスをロイは見に来てしまったのだ。夕食を共にしようという誘いの手紙をロイは渡そうとするがそれをキローワ女史に見つかってしまい、断りの手紙を書かされてしまう。 ロイは残念に思いながら帰ろうとするが、マイラの親友キティが引き止め、無理やり断りの手紙を書かされたことと、どこで待ち合わせるかを問う。 夕食のダンスクラブ。ロイはマイラと楽しい一時のことを話すが、ロイはマイラがどこか未来に期待していない影を持つ女性だということに気付く。そしてクラブで演奏される蛍の光をバックにダンスを踊る二人。

 

ロウソクが消えていき、暗闇のなかロイとマイラは情熱的なキスをするのだった。 ロイはタクシーを拾って結婚を大佐に許可してもらおうとする。しかし大佐は「ロイの叔父結婚の許可をとれば自分も許可しよう」と話す。ロイはすぐに叔父に会いに生き叔父から激励され結婚を許可してもらう。若い二人はすぐさま結婚式をあげに教会へ行くが、神父からは午後3時以降の結婚式は法律で禁止であると言われ、明日の朝11時まで延期されることとなった。

 

ところが、結婚式は挙げることができなかった。ロイが、急に前線に出発することになったからだった。ここから、少しづつ、マイラの人生の歯車は狂い始める。 禁止されていたにもかかわらず、ロイを見送りに行った事で、マイラはキティと伴に、バレー団を首になってしまう。仕事を探すが、戦況不況下仕事は見つからない。戦況の悪化にともなって、マイラは体調を崩し、この間キティが体を売って薬代などを捻出していた。この間の生活は苦しく、キティにだけ頼るわけもいかず、マイラも娼婦となってしまう。 終戦となったある日、帰還兵めあてにウォータールー橋駅で客を取ろうとするマイラは、列車から降りてくる帰還兵の群れの中にロイを見つける。

 

ロイは歓喜の声をあげるが、マイラは戸惑いを隠せない。このあたりのマイラの心理の揺れ動きを表現するビィビィアンの演技の機微は、実に巧みである。 この後、マイラはロイの実家に招待され、地元にも紹介されるが、受け入れてくれるロイの母の優しさに、マイラはいたたまれなくなって、マイラは、ロイに置手紙を残し身を引いて去ってしまう。そして、二人の思い出のウォータルー橋でトラックに身を投げげてしまうのだった。 映像は、また初老となったロイと幸福が来るというビリケン人形に戻る。そして、思い出の蛍の光のメロディが、そこに被せられて、物語は終わる。

 

この「蛍の光」はロイ大尉の出身地スコットランド民謡です。映画「哀愁」の中では、ワルツとされたこの「蛍の光」のメロディが、暗示的に映画の縦軸を貫いていて、運命というものの重さと、はかない私達の人生を悟らそうとしているのでしょうか。 最後に一つだけ真実があるとすれば、マイラの死は、最後までロイを愛したという証であったということです。

 

そのことは貴重なことであり、現実ではほとんど起こりえないことを知っているから、人々はこの物語に感動し、涙を流すのでしょう。 ただ、ここに戦争がなかったら、もう少し時間があれば、二人の人生は変わっていただろうという反戦の意味が、私には被さってきます。あるいは、この物語は、愛というのは、こんなにも厳しい命題があるのだということを私達に突きつけているのかもしれません。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

私は、この映画をいわば反戦映画として捉えていますので、やはり、戦争は女性や子供たち社会的弱者と言われる人々に致命的な傷を負わせるものだということを訴えたいと思います。従って、女性たちにこの作品を勧めたいと思います。 それと、映像画面を歩くことすら訓練されないまま、女優と称している近頃の自称女優と名乗っている方々に、一度見ていただくことをお勧めします。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

今時新鮮なモノトーンの映像と、歩き方、物腰ひとつ、バレーと王立演劇学校にて鍛えられたウィヴィアン・リーの演技の完璧さを味わってほしいと思います。容貌、知性、気品それでいて、どこか、原初的野生という相容れない気質を備えたウィヴィアン・リーというミステリィアスな女優の存在は、今後、二度と現れないでしょう。

 

もしかしたら、インド人との混血とも言われているウィヴィアンの血筋にも関係するのかもしれません。東洋と西洋の混血……それゆえの神秘的魅力に釘付けになります。後年、彼女自身は、相対する気質に苦しむのですが…。どなたかが、歩く芸術品と表現されていましたが、まさしく、その通りです。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

女 66才 ライター 夫と二人暮らし 東京育ちで現在は広島県居住。若き日、手描き友禅を習いに京都まで行き、その後、日本画に触れ、通信で芸術大学芸術学部に入りました。美術史を学び、美術の輪郭が明確に分かってきたことが収穫でした。ゴッホに惹かれます。

「ジェイン・オースティンの読書会」自身の経験と重ね合わせて楽しめる洋画です

あなたが良いと思った洋画を教えてください

私が良いと思った洋画は、2008年に上映され、カレン・ジョイ・ファウラー原作、ロビン・スウィコード監督の「ジェインオースティンの読書会」という洋画です。

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

この洋画は、小説をもとに作られた映画で、2007年にアメリカ国内で映画公開、2008年に日本で映画公開されたものです。イギリスの有名小説家、ジェインオースティンの著書である「エマ」「マンスフィールドパーク」「高慢と偏見」「分別と多感」「ノーサンガー・アビー」「説得」という6つの物語を題材として、6人の主人公が物語を語り合い、同時に自身の生活や恋模様を見つめなおしていきます。この映画の主題にもなっているジェインオースティンは、人々の平凡な毎日を描くことに長けている作家です。

 

平凡な中に静かに巻き起こる恋愛の葛藤が多くの人の共感を呼んでいます。この映画の登場人物たちも、それぞれこれといったドラマ性のない普通の生活をするなかで、様々な葛藤と戦っています。そんな彼女たちがそれぞれに巻き起こる問題にどう向き合っていくのか、その姿を描くのがこの映画の目的です。 この映画の良いと思ったところは、とにかく登場人物の恋愛模様に共感しやすかったところです。超大作のラブストーリーによくある、世界を股にかけるような大恋愛を行っているわけではなく、「彼氏がいない子のために必死にお勧めの男の子を紹介していたら、逆にその男の子から好意をもたれちゃった」というような自分のまわりを見渡してもよくありそうな、誰もが体験しうる恋愛模様が描かれているため、自分の体験に重ね合わせやすい話だったところがこの映画の良いと思った点です。

 

私が特に好きなのは、フランス語教師の女性プルーディーが、婚約者がいるにもかかわらず学校の生徒との恋愛に陥りかけてしまいそうになるところです。彼女はヒッピーな母親を反面教師としており、真面目で、少しお高くとまっているような性格の女性です。ことの始まりは既婚者はいるものの実生活では擦れ違いばかりで落ち込んでいるときに、彼女の前に自分に好意を寄せている男子生徒が現れれることがきっかけです。もちろん始めはきっぱりと男子生徒と距離を置いていたのですが、積極的なアプローチに押され、さらに不運な事件により理性を失ってしまうことが重なりプルーディは次第に彼を受け入れはじめてしまいます。

 

真面目な性格のプルーディが決してあってはならない生徒との恋に陥りかけてゆく過程がとてもリアルで他人事ではないなと思いました。その後、プルーディはしっかりと理性を取り戻し、男子生徒との距離をわきまえるのですが、そう決断する彼女の姿を見て、外から見れば些細なことかもしれないけれど、実際にあの立場になったらひどい葛藤に悩まされるのだろうなと思いました。 とにかくこの映画の魅力は、誰もが陥りうる恋のしがらみや葛藤をリアルに描いているところです。平凡な恋ならではの面白さが感じられるのがこの映画の良いところです。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

この映画は、恋愛に悩んでいるすべての人に見てもらいたいです。この映画の中には様々な人物が登場します。「何度も結婚と離婚を繰り返す人」、「人におせっかいをやくが自分は独身主義を貫いている人」、「同性愛者」、「夫に離別を言い渡された3人の子をもつ母親」、「結婚しているものの夫との趣味が合わない人」、「本当に好きな人になかなか振り向いてもらいない人」、6人それぞれの登場人物がそれぞれに悩みを抱えています。そんな中でジェインオースティンの本を読み解き、恋愛とはなんぞやと語りあう中には、共感できる点や思いつかなかった新たな視点が盛り込まれ、とてもためになります。単純なように思えてかなり奥が深い人々の恋模様を見て、自分の恋愛と重ね合わせてもらいたいです。きっと何か感じるものがあると思います。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

この映画には、様々な登場人物が出てきます。その中の誰か一人に注目してもいいし、全員の考え方を比べてみるのも面白いと思います。共感できるポイントがたくさんあると思うので、自身の経験と重ね合わせて楽しんでみてください。また、この映画を観終わったあとは、実際にジェイン・オースティンの著書を読んでみるのもいいかもしれません。映画のあの場面でつかわれていたのはこの話だ、という風に実際に読んでみることで映画の世界観をより深く感じることができると思います。あなたが普段感じている恋愛問題がこの映画を見ることによって何か少しでも良い方向に変わっていくといいなと思います。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

20代女性です。石川県在住です。大学に通っています。映画はあまり見る方ではないですが、テレビをつけて面白そうなものがやっていたらたまに見ることがあります。

誰も成功しなかった脱獄に挑戦する洋画「アルカトラズからの脱出」

あなたが良いと思った洋画を教えてください

アルカトラズからの脱出

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

この映画のポスターの構図がとても好きです。 「ショーシャンクの空に」の様な感動はありませんが、この映画には未来が感じられ素晴らしい作品です。淡々とした展開ですが、必死で何かを成し遂げると言う事は、結局こういう事なのかなと考えさせられます。 「ショーシャンクの空に」は、主人公のアンディが「無実の罪」で不運にも捕まった人なのに対して、「アルカトラズからの脱出」の場合の主人公モーリスは、おそらく罪を犯した人と言う設定ですから、どうも主人公側にも感情移入しにくい所です。しかし、この役をクリントイーストウッドが演じることにより、良い人のイメージがグッとアップしているような気がします。

 

どのような罪を犯し刑務所に入ったのかの説明はありませんが、以前から脱獄を繰り返してきた常習犯であり、最終的に「アルカトラズ島刑務所」に来たと言う話になっています。またこの「刑務所長ウォーデン」がほんとに嫌な奴で、だから余計に囚人側の人達を味方目線で観てしまうという部分もあります。囚人が逃げるのを応援して観ている訳ですから、教育上良くないと言ってしまえば、それまでですね。 この映画は、このアルカトラズ島刑務所にフランク・モーリス(クリントイーストウッド)が護送される所から始まります。 一番腹が立つシーンは、冷徹な刑務所長ウォーデンが「ドク」から絵を描く特権を奪ったシーンです。酷い場所だと思いました。こんな事をして何になるのでしょう。 この映画には「ドク」を始め囚人の中に本当に罪を犯したのか?と信じがたい人が何人も出て来ます。仮にも「アルカトラズ島刑務所」に入れられるぐらいですから、何か余程の悪いことをした筈なのですが、ハツカネズミを大事に飼っている「リトマス」にしても、非常にゆるいキャラです。

 

その辺りのリアリティーを追及していないと言う事は、もはやこの映画は、刑務所の話に例えながら、何かを教えてくれる映画なのではないかと思いました。少なくとも私はそう捉えました。 この映画が実話に基づいたストーリーだからだと思いますが、ラストシーンで脱獄した後の彼ら(3人)が描かれていないのが、印象的です。 ラストシーン、冷徹な刑務所長のウォーデンは悔しそうに小菊を握りつぶしながら、「3人は溺死したんだ」と言い張っていました。彼はおそらく、そう信じたかったのでしょう。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

現状に不満を抱えストレスをため込んでいる人や、ずっとやりたい事が出来なくて、チャレンジしたい人におススメだと思います。 そもそも脱獄映画というジャンルが人気なのは何故かと思います。何故私が脱獄ものを観たくなるのかと考えると、誰彼問わず、皆会社や学校や家庭などの納得のいかないルールに、縛られて生きていると思います。それらから脱出したいという願望が、脱獄のシーンを観ることにより、満たされるからではないでしょうか?またこれらの映画を観る事で、ピンチからの脱出のノウハウを学ぶ事が出来ます。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

この映画は、自分自身の檻から抜け出す為の方法やヒントが、たくさんある映画だと思います。 これは私なりの解釈ですが、まず第1には小さな事やチャンスに気付ける事だと思いました。モーリスは独房の小さな通気口の周りの壁がもろくなっていて、爪切りでも削れば穴を大きくすることが出来る事に気が付きました。 第2には信用・信頼して話せ、協力し合える仲間に会うことが出来た事だと思います。一匹狼的イメージの彼ですが、「適度に人と距離を取りながらうまくやっている」という印象です。

 

モーリスは食堂で、脱獄出来るかもしれない事を仲間に話しました。これによって、協力者を得ることが出来たのだと思います。 3番目は、もともと知能指数が高いモーリスですが、段取りを組み冷静に計画を立て、淡々と物事を進める事が出来たからだと思います。 4番目は、イミテーションの身代わりを作っておいた事、この替え玉人形はビジュアル的にもかなりインパクトがあります。 5番目は、知恵もあり気の利いたジョークがいえる事、要はジョーダンも言わない様ではダメという事でしょうか。彼は様々なピンチを気の利いたジョークで跳ね返しています。

 

6番目は、状況に応じて臨機応変に予定を変更した事だと思います。あと1日遅ければ、部屋を移される所だったのに、天敵ウルフが接近してきた事により、計画を予定より1日早められないかと、仲間に頼みます。 7番目は勇気、脱獄する日3人は「本当にこれでいいか」など疑わずに突き進んでいきます。隣の独房のチャーリーはこれが出来なくて、逃げ遅れてしまい残念でした。 そのような視点で注意して観ていくと、私にとっては非常に興味深かったです。 尚、この映画は、観光地になっている実際のアルカトラズ島刑務所があった場所で撮影されたそうで、夜のシーンが比較的に多いように感じるのは、昼間は観光客がいて撮影できなかったからだという話です。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

40代前半の女です。デザインをする事や映画を見る事が大好き。スポーツ(特に球技)はあまり好きではありません。最近は、「ブラックスプロイテーションムービー」にハマっています。

自分が負けそうな時にオススメの洋画「幸せのちから」

あなたが良いと思った洋画を教えてください

ウィルスミス主演の「幸せのちから

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

初めの方が身勝手な父親役のウィルスミスが私の元旦那さんと被り、イライラしながら見ていたのですが、話の中盤から忙しく仕事をしてた父親の状況は変わり、離婚することになりそして息子と2人で暮らしていくストーリーに考えさせらる部分がありました。そして彼は彼のちからで手にした富に涙が出てきました。やれば出来る!というものを見せてもらったきがします。私の人生も波瀾万丈ではありますが、私はこういう生き方もありなのだ!と割り切って子育てしているので、この映画を見たことでとても励みになりました。

 

子供が小さい時には私が頑張らないと家なしになる可能性だって考えられます。それでも子供と過ごせる事が幸せと感じ、自分よりもはるかに年の離れた息子から知らずに勇気を貰って頑張っている父親の姿にまた感動してしまいます。またこの作品ではウィルスミスの実の息子さんとの共演だったので、親子の演技に温かみがあり、子供に向けるほほえみや息子がパパへ向けるほほえみが自然体でなんだかじ~とさせられました。

 

ああいう場面を見てしまうと、やはり父親も必要不可欠なのだな…と考えさせられてしまいました。そのお陰でといったら何なんですが、我が家では、学校の行事行事の際には、父親として運動会やお遊戯会に参加して貰う様にお願いしました。きっと、この映画を見ないで時が過ぎていえれば、私から彼にこんなお願い事はしなかったはじです。ですが、この映画を見た翌日には私から彼に連絡をして、「子供の為に時間を作ってほしい」と連絡しました。この映画を見なければこの流れは私たち親子には無かったと思います。本当にタイミングよくこの映画と出会い、気付かされた気がします。

 

今では子供も僕にはパパがいないではなく、パパはお仕事で遠くに住んでいると思っています。映画って、ありそうで無いお話が多いですが、この映画の場合には、私の様にシングルで子育てしている人達にはあるそうであり得るストリーというか実話だったので、辛い事や負けそうになる時にはこの映画を借りては見ています。私の子供が高校生くらいになったら、この映画を一緒に見ようと思っています。まさに!ウィルスミスさんの同じ気持ちを子供へ伝えられてた良いなぁ~と思っています。本当にこころに残る一作品で、不思議と私にはこの映画を見るたびに、違った印象が心に残り、新たな行動を起こすチャンスをくれるのです。まさにタイトル通りに「幸せなちから」だと思っています。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

私の様にシングルで子育てをしているパパやママに、見てほしいです。そしてだからといって自分の夢を捨てようとしている人にも見てほしいですし、安易な方法で金持ちになろうとしている人達にも見てほしいです。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

出来ればお子さんがいるご家庭では、幼いお子さんとは一緒に見ない方が良いかもしれません。内容的には素敵なストーリーですし最後には笑顔になれる映画ではありますが、最初の段階で大好きなパパとママと一緒に過ごせなくなるストーリーになっています。子供の心は純粋なので、たった1度の印象も頭の片隅にはイメージとして残ってしまうものなので、もしかしたら、僕の私のママも居なくなってしまうの?と思う様にさせてしまったら良くありません。ですが、共働きしながら子育てをしているご夫婦には、お子さんたちがお泊りの時などに、是非1度、見て頂きたいなぁ~と思います。

 

そして、パパでもママでも、もし今やりたい事があるならば、その気持は本物ならば是非チャレンジしてほしいと思うのです。この映画では子供が支えとなり成功したお話ですが、まさに子供がいるから~とかシングルマザーやシングルファーザーだからなどと、理由を付けてやりたい事があるのにも関わらず、あきらめてしまっている方には是非!見てほしいです。

 

やりたい事があるのなら手段はいくらだってあります。成功するんだ!成功しなくてはならないんだ!と思う気持ちで進んで行けばその時の辛い事や経験なんて、大した事の無いのだなと思います。子供を理由に出来る事もやらない。そんな父親や母親でいる事の方が子供にとっては不幸せ?そんな事を教えてくれる映画でもあります。そしてお金の大事さ食べる事の大事さ、住まいがあることを本当に有り難く思います。神様は本当にいるのかな?頑張った人にはご褒美をくれると聞いたことがありますが、そんな思いも本当なのかな?と思わせてくれるストーリーでもありました。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

神奈川県在中の39歳の女性です。職業は派遣コーディネーターです。仕事をしながらシングルマザ-で可愛い息子を育てています。

「ランボー」ベトナム戦争の知識があるとさらに楽しめる洋画です

あなたが良いと思った洋画を教えてください

ランボー テッド・コッチェフ監督

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

ランボーってただの時代遅れのアクション映画じゃん、なんて思ったら損!これだけ完成度高くシンプルなものはないくらいの名作です。 ベトナム帰還兵の苦悩と真実を通してPTSDという言葉や概念がまだ浸透していないあの時代にすでにその全てを語っている。十数年経って改めて再度違った視点で評価をすべき作品だと思います。 舞台はワシントン州の片田舎から始まる。シルヴェスター・スタローン演じるベトナム戦争帰還兵ジョン・ランボーは戦友を訪ねて田舎町を訪れる。しかしその戦友は病気をわずらいすでにこの世を去っていた。原因は戦争の化学兵器による後遺症だった。

 

街に降りてきたランボーは街に入るなり保安官であるティーズルに職務質問をされてしまう。まあこの時の身なりも放浪者のような感じですし、田舎はよそ者に警戒するから当然だと思います。ティーズルはランボーをみると即座に問題を起こしそうだという理由で街には入らずどこかへ行けと忠告、しかしランボーは聞かず街に入っていく。とうぜんティーズルは怒りまたランボーを捕まえる。殺人級に無口で無愛想なランボー、所持しているナイフも見つかりついに浮浪罪とサバイバルナイフ所持で逮捕し保安官事務所へと連行されてしまいます。事務所に着くとランボーは身ぐるみ剥がされてまるで囚人のように消防用のホースで水を掛けられ消毒されます。

 

この時裸になった傷だらけのマッチョランボーをみて若い保安官がこいつヤバイですよと警戒しますがベテラン保安官達はおかまいなし。この時皆気付くべきだったなと何故か観ていて気分が高揚しました。ランボーが強い水圧に耐えている間保安官連中は笑いながらみています。それでもランボーは反抗せずに黙々としています。そしてヒゲを剃るということで保安官達が取り押さえカミソリで無理矢理ヒゲを剃ろうとします。その瞬間、ランボーの脳裏にはベトナム戦争時代に捕虜にされて拷問を受けている記憶がフラッシュバックします。この辺の拷問シーンリアルです。

 

とうとうランボーは暴れだし次々と保安官達をなぎ倒していきます。まあかなうはずないです。その後バイクをパクって逃げ出すランボーをティーズル保安官がパトカーで追跡をします。結構なデットヒートとなります。バイクを捨てた後山の中へ逃げ込むランボーですが断崖絶壁に追い込まれいきます。ヘリまで出動しライフルで発砲するなど必要にランボーを追い詰めていきます。このままでは逃げ切れないと思ったランボーは崖から飛び降り木に捕まり地上へと逃れます。ヘリにも石を投げつけ1人の保安官をヘリから落として殺してしまう。ランボーはオレのせいじゃない、これは事故だと叫ぶが崖の上の保安官達は容赦なくランボーに向かって射撃します。

 

そして山へと入っていくランボー。ここまでは何だかこの時代の警官ってこんなに理不尽なんだと感じましたね。ティーズル保安官達は敵討ちだという感じで警察犬なども動員しさらにランボーを追います。ここからのアクションはランボーの見せ場です。グリーンベレー出身のベトナム帰りに保安官程度がかなうはずもなく、最初に放った警察犬があっという間にナイフで仕留められると保安官達は1人また1人と仕留められていきます。しかも殺さない程度に手加減しているところもランボーの余裕が伺えます。最後にティーズル保安官の首元にナイフを突きつけ忠告する。

 

「おまえらを殺すのなんて簡単だ」と。この辺のランボー圧巻です。さんざんヒドイ事を好き勝手やってきた保安官達がなすすべもなく倒れていくのは少しスッキリです。その後は州警察も総動員され100人体制の山捜索にまで発展します。そんなおり、作戦本部に1人の軍人が現れます。リチャード・クレンナ演じるトラウトマン大佐です。これがカッコイイんです。冷静沈着とは彼にあるような言葉。ティーズル保安官は軍人が何の用だの勢いで大佐につっかかります。ランボーはオレの獲物だと。

 

大佐は「君たちを守りに来た」と一言。そしてランボーがどういう男なのかを語る。この辺の大佐の紹介でランボーの壮絶な背景がわかってきます。そしてランボー対州警察の対決が始まっていくという物語です。しかしこの映画の良さはアクションシーンではなくランボーベトナム帰還兵としての心の傷の描写にあります。山での戦闘後に街で暴れるランボーの叫びがそれを物語っています。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

けっこう古い映画ですが今観ても迫力あるし、見方を変えるとメッセージ性も強いです。少なくともベトナム戦争の知識があって観ないとこの作品のいい部分に気付けないかもしれません。そうでないとただランボーが暴れてるだけみたいに見えてしまう場合もあります。

 

 

ファンタジーの原本を堪能する映画「ロード・オブ・ザ・リング」

あなたが良いと思った洋画を教えてください

ロード・オブ・ザ・リング(監督ピーター・ジャクソン、2001年、ニュージーランド・アメリカ)

なぜ、その洋画が良いと思ったのでしょうか?

 ロード・オブ・ザ・リングは、日本では『指輪物語』として訳されている、ファンタジー小説の原点ともいうべき作品です。  『指輪物語』はとても長い話ですが、その話の中で作者のJ・R・トールキンが「エルフ」「ドワーフ」「トロール」といったファンタジーには必ず出てくるキャラクターを生み出し、今の世界のファンタジーはこの作品がなければほとんど成り立たず、『指輪物語』は「聖書の次に読まれている本」と言われることもあるくらいです。  その作品が映画化されたのですから、素晴らしい作品だということはそれだけで分かっていただけると思います。実際、作品では原作に限りなく忠実に様々な種族や生き物、風習などが出てきます。ファンタジーが好きな方なら、まず観てハズレはないです。  物語は、ひとつの指輪から始まります。それは主人公の叔父が昔々に拾った指輪なのですが、実はそれが魔王が世界を支配するために作った魔法の指輪であったため、それを破壊するため、火山の火口へと指輪を投げ捨てるという目的を胸に、主人公の長い旅が始まります。そう言ってしまうと簡単なように聞こえますが、その指輪はそれ自体に魔力があり、周囲の仲間を誘惑し、時に主人公自身を誘惑し、自分を破壊させないよう、魔王の支配下に下るよう、じわりじわりと影響を及ぼしていきます。

 

 また、指輪を取り戻そうとする魔王側の軍勢も迫力で、到底力では敵いそうにない敵を相手取り、人間たちが力を合わせて戦う様も観ていてワクワクさせられます。  ファンタジーものでは、魔王という絶対悪に立ち向かう正義の主人公、という図式が多いですが、このロード・オブ・ザ・リングの主人公フロドの剣の腕はそれほどでもなく、魔王の目をかいくぐり、徐々に重くなる指輪の魔力に苦しみ、堕ちそうになる寸前とところで抗いながら、這うように火山口へと進む姿が痛々しく、ファンタジーの原点でありながら新鮮な感動を与えてくれます。  そのフロドに付き従う庭師サムが、ひたすら忠実に彼を助け、何とかフロドが任務を終えるのを支えようとする様子もまた素晴らしく、最初は物見遊山的な気分で付いてきたサムがフロドの精神的支えになり、指輪を持つ苦しみに支配されていくフロドの拠り所になっていく様に、いつも泣かされてしまいます。

 

 また、フロドとサムがシリアスな場面を受け持つとしたら、クスッとさせる、楽しいシーンを作るのがフロドの友人である、メリーとピピンです。彼らもまたフロドを助けるために戦うのですが、特にメリーは真剣にやっているにもかかわらず失敗続きのその姿はユーモラスで、ピピンとの掛け合い漫才のようなやりとりは、全体的に重い話を明るくしてくれる清涼剤のような役割を果たしてくれ、それを観るのが楽しみでもあります。  そして、この作品は非常にスケールが大きく、CGを駆使した映像が随所で観られます。1部2部3部と1年ごとに発表されたため、1部と3部とではCGのリアルさが異なり、映像技術の進化をそんな所でも楽しむことができます。トロールやオークといった、今まで本の中でしかみていなかった想像の生き物が命を得て、スクリーンで走り回っているのを観ると、それだけで楽しくなります。

その洋画がオススメだと思う方は誰?

 この映画をお勧めしたい人は、もちろんファンタジーが好きで、良くファンタジーゲームなどをやっていたという方です。今はもう、ファンタジー世界の生き物たちは当然のように認知されていますが、その大本を考えた人の作品を見て、20世紀半ばに作られたとは思えない作品の瑞々しさを堪能して欲しいです。  また、この作品に出てくるゴラムという生き物は全部がCGであり、同時に人がCGの元となる動きをしているため、動きが非常にリアルです。映画の技術を楽しみたいという方にもお勧めできると思います。

これからその洋画を見ようと思っている方へのアドバイス

 ロード・オブ・ザ・リングはとても長い話です。それぞれが3時間前後あり、しかも3部作ですので9時間近くになるのは覚悟しておいた方が良いと思います。でも、それだけの時間を「損した」とは決して思わせないストーリーです。たびたび危機に陥る主人公が仲間に助けられ、平和を取り戻す過程は本当にハラハラドキドキで、息が詰まります。  

 

また、ロード・オブ・ザ・リングの前の話である「ホビット物語」も映画化されていますので、こちらと合わせて観るのも楽しいかも知れません。映画の舞台になったニュージーランドでは、ロケ地巡りもできますし、飛行場では巨大なゴラム人形を見ることもできるそうです。  映画だけでなく、本を読んだり、実際にロケ地を巡ったり、グッズを集めてみたり、ゲームをしたりと色々な楽しみ方ができるロード・オブ・ザ・リングを是非観てみてください。

 

カンタンな自己紹介・プロフィール

性別:女性 年齢:39歳 職業:会社員 出身地:山口県